開場となる午前八時十分前には、武道館周辺は出演者ならびに関係者、そしてこの日を楽しみにしていた人たちで大変な混みようでした。そして、早朝にもかかわらず合吟の練習に励む団体がいるなど、武道館は独特の空気に包まれていました。
午前九時、山岡哲山専務理事の開会のことばで、第三十二回全国吟剣詩舞道大会の幕が開きました。午前中はまず平成十二年度全国吟詠合吟コンクールが行なわれました。出場団体五十五組、総人数三千二十五名の壮大な合吟コンクールで、そのスケールの大きさ、雄大さに改めて合吟のすばらしさを感じさせられました。
一番手を飾ったのは千葉の日本国風流詩吟吟舞会千葉県の女子で、トップバッターというプレッシャーにも負けず、堂々とした吟詠を披露してくれました。以後、五十五番手の吟道賀堂流近畿本部の女子まで日頃の精進を発揮し、どの団体も力を尽くし、晴れの栄光をつかむために頑張っていました。ただ、結果発表は大会の最後とあって、コンクール終了後も発表までの時間、みなさんの胸の中は落ち着くことなく、ドキドキしていたのではないでしょうか。