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一番手に登場したのは広島県吟剣詩舞道総連盟広島支部の男子で、「母を奉じて厳島に遊ぶ」をしっかりと吟じ、日頃の精進の成果を見せてくれました。以下、最後の五十六番手、広島県吟剣詩舞道総連盟広島支部の女子まで、晴れの舞台を飾るにふさわしい実に立派な吟詠の数々で、来場者も熱心に拍手を送っていました。

 

新世紀に繋げよう日本の文化と心

昼食の時間をはさんで午後の幕開けは、式典から始まりました。国歌斉唱の後に来賓挨拶があり、藤田雄山広島県知事の言葉を鈴岡章子広島県県民生活部国民文化祭事務局長が代読され、つづいて秋葉利広島市長の挨拶を小田治義広島市助役が読み上げました。ともに、この広島で今世紀の最後を飾る国民文化祭が開かれることに深い意義を感じ、しかも伝統ある吟剣詩舞道祭を開催できたことに感謝する旨を話されました。また、吟剣詩舞を新世紀に継承することで、日本の心、日本の文化を大切にしていきたいと語られました。挨拶の最後は、全国吟詠剣詩舞道祭の主管団体である財団法人日本吟剣詩舞振興会を代表して笹川鎮江会長のお言葉を河田神泉副会長が代読されました。その言葉の中で、財団は今後も吟剣詩舞の全国的発展のためにいっそう努めていくことを約束されていました。

 

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藤田雄山広島県知事のあいさつを代読する広島県県民生活部国民文化祭事務局長、鈴木章子氏

 

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秋葉忠利広島市長のあいさつを代読する小田治義広島市助役

 

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財団代表としてあいさつする河田神泉副会長

 

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式典に列席した財団役員諸氏と実行委員の皆さん

 

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(第一部全国吟詠各流合吟の舞台から)「楠公子に訣るるの図に題す」(頼山陽作)を合吟する(社)関西吟詩文化協会哲滄会男子の皆さん

 

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(同)「佳賓好主」(佐藤一斎作)を合吟する賀城流吟詠会女子の皆さん

 

感動的な舞台にいつまでも拍手鳴り止まず

式典が滞りなく終了すると、いよいよ期待の本部企画構成吟「日本の師表」―詩歌に詠われた日本の師表―が披露されました。今回は一八〇〇年初頭から一九〇〇年初頭に至る一世紀、すなわち鎖国を続けた我が国が世界情勢に目覚め、一大飛躍を遂げることになる一八〇〇年代の歴史の原点を振り返り、二十一世紀を迎える我が国の方向性とその果たすべき役割について考えるという内容で、1]読書の楽しみ 2]芳野に遊ぶ 3]富士山を詠う 4]南都、北都に遊ぶ 5]師友と交わる 6]源平盛衰を詠う 7]南朝を懐う、から構成され、菅茶山の漢詩、そして茶山と親交をもった多くの師表たちの詩歌を吟詠、剣舞、詩舞で鑑賞しようというものでした。

 

 

 

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