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東西実力者の吟剣詩舞が堪能できるとあり、来場者も真剣な眼差しで舞台を見つめていました。重厚で気品あるその舞台は、まさに頂点に恥じない質の高さで、人々も口々に「さすがだ」「すばらしい」などと話し、大きな感動が会場を包み込んでいました。

全国吟詠剣詩舞道祭の最後を飾ったのは、地元広島の企画構成作品で「ひろしまの心遥かなり」でした。これは広島の儒学者として、国史国体の反省と顕揚に刺激をあたえた「頼山陽」の心を学び、先人たちを偲びながら、二十一世紀への願いを込めて創られた意欲的な作品で、地元のやる気が観る者にひしひしと伝わってきました。しかも、舞いに舞踏的要素を取り入れたプロローグからフィナーレまで、吟詠も剣詩舞も日頃の精進が結実した舞台で、時間を感じさせることなく、誰も心に響く感動を感じたことでしょう。

最後に舞台上に出演者が勢揃いすると、会場からは割れんばかりの拍手が起こり、今世紀最後となる全国吟詠剣詩舞道祭も成功のうちに終了することができました。来場者、出演者、関係各位、それぞれがこの感動、この文化、そして芸術性豊かな吟剣詩舞が二十一世紀へ大きく飛躍することを心に誓いながら。

 

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(同)「母を奉じて厳島に遊ぶ」(頼山陽作)を合吟する広島県吟剣詩舞道総連盟広島支部男子の皆さん

 

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(同)「舟大垣を発し桑名に赴く」(頼山陽作)を合吟する広島県吟剣詩舞道総連盟女子の皆さん

 

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(同)「玉水路上」(菅茶山作)を吟じる清水照鵬氏と、これを舞う小林翠扇氏とその社中の皆さん

 

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(同)「栗山先生、…」(菅茶山作)を舞う藤上南山氏とその社中の皆さん。吟詠は杉山翔鴻、橋本龍淙、奥村龍愛、中野吟紫の各氏

 

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(同)「八幡公」(頼山陽作)を吟じる林鳳俊氏と、これを舞う大石晨煌氏とその社中のみなさん

 

 

 

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