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吟剣詩舞の若人に聞く

第二十五回

 

心身ともに充実の時、目指すは優勝の文字。

 

咋年の青年の部では準優勝の近藤智美さん。今年も全国大会出場が決まり、優勝を目指して日々の稽古にがんばっています。そんな近藤さんに、大会のこと、詩舞のことをお聞きしました。

 

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近藤智美さん(旧姓山本)

 

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インタビューに答える写真(左)より近藤智美さん、師の杉浦容楓崇範、夫の近藤聰峰さん

 

近藤(旧姓…山本)智美さん(二十二歳) (平成十一年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞青年の部準優勝)

宗範…杉浦容楓さん(北辰神明流分家剣詩舞)

夫…近藤聡峰さん

 

何歳から詩舞をしていますか?

智美 「小学一年生の終わりですから、七歳ぐらいから始めました。初めは地元の岡崎の方でしていましたが、そこにたまたま容楓先生がいらっしゃいまして、それ以降、お世話になっています」

最初の印象はいかがでしたか?

杉浦 「大変かわいい子だと思いましたし、よく動く子だなと感じました」

なぜ詩舞を始めたのですか?

智美 「叔母がやっていましたから、よく連れて行かれましたので(笑)。それから、詩舞をしている人を見て、私もやりたいなと思うようになりました」

本格的にお稽古が始まっていかがでしたか?

智美 「大変だとは思いませんでした。後ろについて舞っている感じでしたから」(笑)

先生が直接教えているのですか?

杉浦 「彼女が行っている道場に教えに行っていましたから、初めから直接教えていました。それから本部に来るようになっても、私が教えています」

コンクールに出始めたのはいつ頃ですか?

智美 「小学四年生から出るようになりました。その時は愛知県大会でだめでしたが、五年生の時に財団の幼年の部で優勝させていただきました。その後、少年の部でもおかげさまで優勝することができました」

幼年の部で優勝した感想は?

智美 「嬉しかったですが、あまり記憶がありません(笑)。とにかく無我夢中で、泣きながら練習した思い出はありますが」(笑)

先生にも優勝の時の思い出はありますか?

杉浦 「優勝の時よりも、武道館で詩舞を披露する時に方向を間違えて踊っていたのを覚えていますし、有名な話として残っています」(笑)

その後、すぐ少年の部で優勝ですね?

智美 「はい、幼年が十歳で、少年が十二歳ですから」

かなり順調ですね?

杉浦 「確かに順調と言えば順調ですね。でも、青年で行き詰まっていますけど」(笑)

智美 「青年の部は難しいです(笑)。準優勝を取るまでに時間がかかりましたから、焦りもあり、なんでだろうと考え込んだこともありました」

杉浦 「それは曲にも原因がありますね。彼女のかわいい舞にあうような曲に、なかなか巡り合わなかったということです」

智美 「自分自身でも曲に乗れずに、思ったように踊れなかったと言うこともあります」

杉浦 「青年の部は、言われるままの踊りではだめで、自分のもの、体の中からにじみ出てくるものを出さなければ、いい結果は得られませんね。彼女の場合はその意味で純粋ですから、言われるとおりに踊ってしまうので自分のものがなかなか表に出てこないんです」

 

 

 

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