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道場にて伊藤明さんを中心に前列(右)入倉昭山宗家、(左)師の清水昭麟さん後列(左)母の伊藤眞由美さん、(右)弟の伊藤武さん

 

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弟の伊藤武くん(平成9年度少年の部剣舞優勝)

 

詩心を考えると、力だけでもないでしょ?

明 「確かに考えましたが、宗家に、考えてもお前には無理だと言われました」(笑)

彼が飛躍するためには、スタイルを変えていく必要もあるのでは?

入倉 「ええ、いずれ変えなければいけませんが、まだストレート一本で勝負できるときは、直球に磨きをかけて欲しいです。でもたまに繊細な表現の小細工をしようとするので、詩舞もしていないのにできるかと怒るんです」(笑)

やはり表現したくなるの?

明 「ええ…」(笑)

平成九年に弟の武くんが優勝されていますが?

明 「かなり刺激になりましたが、兄のプライドもありますので(笑)、そこから不器用ながら自分なりに勉強をはじめました」

明さんにとって剣舞とは何ですか?

明 「自分の趣味であり、大きく言えば生き甲斐ですし、誇りでもあります。やっていて面白いです。また、家族団欒の題材です。この話がなければ家族のコミュニケーションもなくなってしまうと言ってもいいでしょう。家族をつないでいるのが剣詩舞です」

眞由美 「お父さんは吟剣詩舞をしませんが、理解があり、いろいろなテープを集めては皆で見るというのが、家族の楽しい時間になっています」

明さんにとって今後の課題はありますか?

明 「変化球が投げられるようになりたいです」(笑)

清水 「変化球を投げるには、たまに投げても駄目(笑)。まず直球に磨きをかけ、それからたくさん練習をすることだと思います」(笑)

今年も全国大会に挑戦するの?

明 「はい、挑戦させていただきます」

入倉 「しかし、今年は直球が投げられないんです。というのも、昨年の群舞コンクール全国大会で三兄弟ともう一人が加わり優勝したのですが、地元での披露で足を痛めてしまい、今年は変化球を投げざるを得なくなってしまい(笑)、中部予選でどうかなと心配しています」

明 「まずは中部予選で全力を出し切り、力を出して駄目なら仕方がないですが、夢はやはり全国大会の優勝です」

明さんヘアドバイスなどがありましたら?

入倉 「彼はコンクールというと成績を優先していましたが、群舞で日本一を取ってからその辺が変わってきて、本人も言っていますが、成績よりも演舞の内容を重視するようになってきましたので、そのような意識をずっと持ちつづけてもらいたいと思います」

眞由美 「ケガをすると進歩も停滞してしまいますので、ケガをしないように気をつけて、長く続けてください」

最後に明さんの方から何かお願いします

明 「弟に抜かれないようにしたいです。それが今の自分を支えている原動力ですから。それから自分の中のものを崩さないように、この調子でこれからも行きたいと思います」

今日はインタビューにお答えいただき、ありがとうございます。これからも剣舞に全力で頑張ってください。

 

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宗家の指導を受ける伊藤明さん

 

 

 

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