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吟剣詩舞の若人に聞く

第二十四回

 

順調な歩みの裏には、持ち前の頑張りがある。

 

日本壮心流宗家・入倉昭山門下の自石健太くんと伊藤明さんは、ともに平成十一年度の全国剣詩舞コンクール準優勝者であり、これからの剣詩舞を支える期待の若手。そんなお二人に、宗家や指導者、ご家族を交えてお話を伺いました。

 

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白石健太くん

 

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白石健太くんを中心に(右)入倉昭山宗家、(左)師の尾崎昭哲さん、(後)祖母の内山あき子さん

 

白石健太くん(七歳) (平成十一年度全国剣詩舞コンクール決勝大会剣舞幼年の部準優勝)

祖母…内山あき子さん

指導者…尾崎昭哲さん

宗家…入倉昭山さん(日本壮心流昭武館総本部)

 

いつから剣舞をしているの?

白石 「保育園の終わり頃から、尾崎先生に言われて始めました」

尾崎 「内山さんが日本舞踊の名取さんをしていまして、その関係で知っていましたし、私の所へよくお孫さんを連れてきましたので、健太君を預けてみないかと言いました」

白石君は、剣舞を勧められて、どんな気持ちだった?

白石 「やりたいなと思いました」

本格的に習い始めて、いかがでしたか?

尾崎 「これまでも子供を教えてきましたが、半年くらい経ってから、他の子と能力が違うと感じました。それならコンクールにでも出してやろうかと思い、特訓したところ、初めて出た壮心流のコンクールで優勝しまして、それから県大会、中部予選と行き、全国大会で準優勝を取ることができました」

練習は厳しい?

白石 「厳しい時もあるし、厳しくない時もあります」(笑)

どんな時が厳しい?

白石 「振りを忘れたり、大きく間違えたりしたときなどです」

例えばどんなこと?

白石 「扇子の使い方や、腰の降ろし方を失敗したときなどです」

宗家の白石君に対する印象は?

入倉 「しっかりした剣舞をする子だという印象をもちました」

白石君の特色は何でしょうか?

尾崎 「子供の場合、教えても、次の週には忘れている子が多いのですが、白石君は教えたことはしっかりでき、もし間違ってしまった場合でも、教えれば、できるまで一生懸命やる子です。とにかく熱心ですね」

剣舞は面白い?

白石 「はい、面白いですし、好きです。とくに刀を振ったりするところが好きです」(笑)

お孫さんが剣舞をしているのを見て、いかがですか?

内山 「まだまだ基礎ができていませんので、しっかり練習するようにと言っています」

学校の友達は知っている?

白石 「知っている子もいますが、そんな子は、すごいねと言ってくれます」(笑)

昨年が全国大会の初挑戦ですか?

入倉 「全国大会というよりも、うちのコンクールも含めて初めてでした」

尾崎 「昨年の二月が壮心流で、五月が財団の県大会で、七月が中部大会。そこまで優勝で、全国大会が準優勝ということです」

すべて初めてで、優勝や準優勝とはすごいですね?

入倉 「すごいと思いますし、こんなに順調な子も珍しいです。正直なところ、中部予選で落ちるなと思っていましたが、それが全国大会に出て、準優勝はできすぎですね」(笑)

コンクールに出てみて、どんな感じ?

白石 「うまい子がいるなと感心しました。それで負けるなと思いましたが(笑)、自分なりにはできたと思います」

 

 

 

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