笹川鎮江
「昭和の日」法案が廃案になり、残念でなりません。
四月号の本稿で、昭和天皇のお誕生日だった四月二十九日を「みどりの日」から「昭和の日」に改めること、そして「みどりの日」を国民の休日の五月四日に移すという祝日法改正案が国会に提出きれ、成立も間近いという、たいへん嬉しいニュースに接し、手放しでよろこんでしまったことをお話しましたが、この祝日法改正法案が廃案になりましたことは、まことに残念でなりません。これが本当のぬか喜びと言うことでしょうか。
カレンダーメーカーでは、既に来年のカレンダーの組替え作業を済ませていて、あわてて、もとへ戻す作業に追われているという話もうかがいました。
主人・笹川良一も、四月二十九日の天皇誕生日が「みどりの日」に決まったときに、どうして『昭和記念日』としなかったのかと憤慨していた一人でございました。
主人が天皇陛下やご皇室について語っていたことばを思い出します。
「皇室あっての日本なんです。日本の総理大臣は、アメリカの大統領やイギリスの首相などと比べるとたいへん短命ですが、そういう中で、天皇制が終身であるというのは、非常に価値があるし、たいへん重みがあるんです。日本は皇室があるからこそ、立派な独立国として世界と結ばれ、自己の立場を堂々と主張できるのだと思います」。