日本財団 図書館


008-1.jpg

写真左より、師の田中恵珠さん、三宅由里子さん、藤上南山宗家

 

008-2.jpg

藤上南山宗家より演技指導を受ける三宅由里子さん

 

注意されるところとは?

由里子 「やはり感情が出ていないところです」(笑)

感情とはどんなことですか?

南山 「体の中から出てくる感情のことで、それがあれば顔に表情が生まれると思います。彼女にはそれが必要だということです」

感情を養うことはできますか?

南山 「おとなしい人は剣舞を稽古して、力強さを養うといいでしょう。声を出すのは案外恥ずかしいもので、それを克服すると、自然と力強さが身につくはずです」

次は優勝だね?

由里子 「…」(笑)

南山 「それがなかなか難しく、二位だと思うと次にガタンと落ちるから」(笑)

恵珠 「あまりプレッシャーをかけるのも、かわいそうな気もしますが。でも、本人が一番欲しがっているのではないでしょうか」

ここには仲間がたくさんいるそうだけど?

由里子 「はい。仲間でもあり、ライバルでもあります」

ライバルに負けたくないことは?

由里子 「…」

恵珠 「扇子の使い方があまり上手ではないので、そんなところでしょうか」

青年の部にあたって、ご宗家は何を望みますか?

南山 「がんばってくれればいいという思いです。コンクールに対してそれほど目を三角にはしていません。というのは、大切なのは私生活で、それに支障がないように、あるいはプラスになるような踊りでなければならないと思っていますから。詩舞を楽しんで欲しいです」

楽しんでいますか?

由里子 「はい、楽しんでいます」(笑)

高校に入っても、詩舞は続ける?

由里子 「続けます」

南山 「先生になってくれるよね。田中先生の助手に早くなってくれなければ」(笑)

由里子 「…」(笑)

詩舞の魅力をどう考えている?

由里子 「踊りも好きですが、皆に会えること。自分の特技としてやっていける点などです」

少年から青年へ移るのは大変ですか?

恵珠 「私も経験しましたが、まず感情表現ができなければだめ。次に踊りの内容が変わってくるので、ある程度大人にならなければいけません。それにもまして、うちの中で選ばれるのが難しくなります。私が彼女の代わりに何かしてあげられるわけではないので、自分で変わっていって欲しいと思います。ただ、私も青年の部でなかなか優勝できなかったので、その経験を伝えることはできますし、性急に結果を求めてはいません」

南山 「悔しいという思いがないと、次がありませんから」

そう思う?

由里子 「はい」(笑)

由里子さん自身は青年の部をどう思うの?

由里子 「少年とは違って、大人の踊りをしなくてはと思います」

最後になりますが、何かありましたらお願いします。

由里子 「楽しくこれからも詩舞ができたらいいなと思っています」(笑)

恵珠 「ずっと続けてくれることを願っています」

今日はありがとうございました。これからのご活躍を期待しております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION