日本財団 図書館


吟剣詩舞の若人に聞く

第二十回

 

やると決めたら徹底する、強い精神力でつかんだ栄光。

 

持ち前の凝り性とこだわりで、優勝の栄冠をつかんだ石井芳典くんですが、さらなる飛躍を目指して、日々精進しています。そんな彼を家族の方々とともにインタビューしました。

 

015-1.jpg

石井芳典くん

 

015-2.jpg

道場で石井芳典くんを中心に前列(左)入倉昭星家元、(右)河合昭扇館長、後列(左)石井幹恵さん(母)、石井節代さん(祖母)

 

石井芳典くん(十七歳) (平成十年度全国剣詩舞コンクール決勝大会剣舞少年の部優勝)

母…石井幹恵さん

祖母…石井節代さん

館長…河合昭扇さん(日本壮心流渥美昭武館)

家元…入倉昭星さん(日本壮心流昭武館総本部)

 

剣詩舞を始めたのはいつ頃から?

芳典 「小学校一年の頃からです」

切っ掛けは何ですか?

芳典 「僕の祖母が詩舞をしており、小さな時からその踊りを見ていて、やってみなさいと言われ、剣舞を始めました。初め興味はありませんでしたが(笑)、しだいに自分の体が反応するようになってきました」

お孫さんにさせたいと思っていましたか?

節代 「はい。でも、自然に自分から剣舞をやりたいと言いましたので」詩舞ではなかったのですか?

芳典 「そうですが、いま、先生から詩舞を勧められて始めたところです。剣舞を上達させるには、詩舞も大切だと思いまして」

河合 「この子の剣舞は硬いので、もっと舞にしようと思いまして、詩舞をさせることこにしました」

入倉 「剣舞だけだと間が悪くなりがちで、問を覚えるには詩舞をしたほうがいいと思います」

剣舞をやる時、お母さまに相談はありましたか?

幹恵 「自分で決めていましたので、特別ありませんでした。ただ、小学一年生から何かするといいね、と言ったところ、それなら踊りがしたいと自分から言いました」

他にさせたいことはありませんでしたか?

幹恵 「小さい時から扇子を持って踊りのまねをしていましたから、多分好きだろうと思いました」(笑)

その時の記憶は、芳典くんにある?

芳典 「昔のビデオを見ると、踊っているのが写っていますが、それを見ると、僕は本能的に踊りが好きなのかなと思います」(笑)

河合先生が感じた芳典くんの印象は?

河合 「初めは怪獣の玩具の説明を聞かされて(笑)、これはそうとう怪獣に凝っているなと思いました(笑)。剣舞をやり始めたら、本人も言っていましたが、本能的に反応しましたね」

芳典 「僕の長所と言うのは、自分がやると決めたら命をかけてでもやる(笑)、短所はやる気がないと人一倍やりませんが、自分の長所と踊りが合っていたと思います」

芳典くんの特長のようなものはありますか?

河合 「凝ると言うか、とにかく稽古はしますね。それと、スケールが大きくて、いかにも男の子らしい剣舞、迫力があって気持ちがいいです」

お母さまから見て、芳典くんの生格は?

幹恵 「とにかく凝り性で、こだわりが強い子です。だから、自分がやると言ったら、トコトンやりなさいと言っています」

稽古は大変ですか?

芳典 「先生は厳しい方ですが、始めからよく見てくれます。昔は影で泣きました(笑)。でも、それをバネこして、夜空に向かって素振りの稽古をしたりもした」(笑)

どんな点が厳しいですか?

芳典 「細かな点まで教えていただけます。とくに自分では気づかないことを教えてくれますし、できなければ何度も教えていただきました」

自分で自分の剣舞をどう思う?

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION