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● 気合の発声では、その人の気持ちで声が出ていない。それなら出さないほうがよいのでは。ただ、群舞は三人そろって気合を入れるのが難しく、間の取り方にも注意しなくてはいけない。それは振りと発声のシンクロ(調子を合わせること)をよく考えること。

● 詩舞では、五人がそれぞれ演技できるように構成された作品と、五人いるけれどもその中の何人かが演技し、あとは添え物的になっている作品では、前者の方が一般的に評価される。ただし、「梅花」のようにそうはいかないものもあるので、研究が必要。

● メーキャップじゃ作品の内容で考えてほしい。「梅花」なら梅の花のイメージが舞台に出るようにメーキャップしてもらいたい。雰囲気を大切に。加えて、衣装や扇なども考えてもらえれよ、よい作品になると思う。

と、なかなか厳しい講評でしたが、剣詩舞道家のこれからのテーマとなったことでしょう。

つづく審査員結果発表では、演技者の一喜一憂する姿がコンクール決勝大会ならではの光景として印象的でした。入賞者発表では笹川鎮江会長がお元気な姿をお見せになり、入賞者一人一人に賞状を手渡していました。そして、工藤龍堂常任理事の閉会の辞が告げられると、平成十一年度全国剣詩舞群舞コンクール決勝大会も滞りなく成功のうちに終わり、会場は始まる前の緊張感から解放された静けさに包まれました。

 

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審査結果を発表する入倉昭星常任理事

 

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閉会の辞を述べる工藤龍堂常任理事

 

平成十一年度

全国剣詩舞群舞コンクール決勝大会

入賞者氏名(敬省略)

〔剣舞の部〕

優勝=伊藤明、伊藤武、亀田功治(愛知県・日本壮心流昭武館)。第二位=大岡史帆、荒谷早智子、佐々木京子(愛知県・北辰神明流分家剣詩舞)。第三位=石井芳典、天野由希子、長尾美智子(愛知県・日本壮心流渥美昭武館)。第四位=坂上晃、西原香、新藤正代(兵庫県・早淵流大日本敬天社)。第五位=藤野代志乃、藤野舞、藤野綾(福岡県・日本壮心流九州昭武館)。第六位=小嶋一勝、山下剛、北本英人(京都府・倭水心流)。

〔詩舞の部〕

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財団からのお知らせ

吟詠コンクール決勝大会の開催地が変更になります

本誌二月号で予告した「十二年度財団本部行事予定」の内、全国吟詠コンクール決勝大会の開催場所が、尼崎市総合文化センターから東京・三田の笹川記念会館国際ホールに変更されることが、二月末開かれた財団本部常任理事会で決まりました。

 

決勝大会優勝者、喜びの声

 

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詩舞優勝チームの皆さん

 

詩舞の部(兵庫)

小野藍子さん、田辺富士子さん、田辺小泉さん、田辺文さん、原優子さん

「緊張した分、優勝はすごく嬉しいです。気をつけたことは表情を明るくすることで、ビデオに撮って練習しました。また、決勝進出が決まってからは、週に一回は5人そろって練習しましたが、あまり多い回数とは思いません。これから家元先生に電話で優勝報告をします」

 

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剣舞優勝チームの皆さん

 

剣舞の部(愛知)

伊藤明さん、伊藤武さん、亀田功治さん

「信じられない気持ちです。嬉しさのあまり、(名前を呼ばれた時の)返事が叫びになりました。予選の時にドラマ性がないと指摘されたので、決勝ではその点を注意しました。初めて剣舞の群舞をしたので心配もありましたが、本番では3人の息も合ったと思います」

 

 

 

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