第二十八回全国少壮吟詠家審査コンクール決選大会
■平成十二年三月五日(日)
■東京・三田・笹川記念会館国際ホール
主催:財団法人日本剣詩舞振興会
笑顔、涙、歓喜。三名が晴れの栄冠を手に。
少壮吟士は吟界の中でも、実力、人格ともにトップと呼ぶにふさわしい存在として広く知られています。その栄光の座に、今年も多くの吟詠家が挑戦しました。そして、熾烈な競吟に多くの出場関係者や愛吟家が固唾を飲んで見守りました。

特別審査開始を待つ笹川鎮江会長(左は鈴木吟亮常任理事)

元気よく開会の辞を述べる入倉昭星常任理事

財団を代表して挨拶する河田神泉副会長

審査講評を行う河野正明氏

閉会の辞を述べる高群華要常任理事
午前九時、入倉昭星常任理事が元気に開会の辞を述べ、国歌斉唱、財団会詩合吟と続き、河田神泉会長が財団を代表して挨拶を行いました。その後、競吟実施要項の説明と審査員が紹介され、決選大会の幕開けとなりました。
今回の参加申込み数は一四一名でしたが、六名が欠場のため一三五名となりました。都府県大会、地区予選と勝ち抜いてきた精鋭だけに、その吟に期待がもたれました。しかし、最も厳しい審査基準で知られる全国少壮吟詠家審査コンクールです。実力を出し切れずに終わるケースもあり、どれだけ平常心で舞台に臨めるかが鍵です。また、このコンクールは音程や発音、吟力だけを審査するものではなく、舞台マナー、吟詠マナー、社会人としてのエチケットまでも問われ、心技体の充実が求められます。しかも、決選大会を三回通過しなすれば少壮吟士候補になれません。この厚き壁に立ち向かう出場者には、それぞれ胸に秘めた思いがあったことでしょう。
少壮吟士候補の喜びの声
伊藤美智子さん(神奈川)

「お世話になった先生方に大変感謝しています。この大会に出ることが勉強だと思い、これまでがんばってきました。今回は伴奏にしっかり乗ること、詩心を大事にすることをテーマに吟に取り組みました。初心を忘れず、これからも勉強します」
明神春恵さん(高知)

「夢のようです。誤読ではないかと確認された時は、頭の中が真っ白になりました。詩文の意味を読み直し、詩の中に入り込もうとしましたが、なかなか難しいですね。これからが大変だと悪いますが、一生懸命勉強して、がんばっていきます」
岸本伸子さん(大阪)

「本当に嬉しいです。ここ二、三年は順調に行きましたが、初挑戦が平成元年で、それまでは随分苦労しました。気をつけたことは詩情の表し方や、呼吸を腹式にした点です。これからも、初歩からがんばって勉強して行きたいと思います」
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