日本財団 図書館


松野委員 時代の流れという点でいえば、先ほど、働く場、工場等が確保されて、そこに通う道路が整備されたというのを1つ挙げた。もう1つ、横田町の場合は、30〜40人はいわゆる手づくり村構想みたいなものに引かれて入ってきた工芸、クラフト関係の人間ということのようなんですね。これは1つは、都会では特に陶芸なんかがなかなかやりづらいということで、そういうのを中心にした研究所みたいなものを誘致して、1年間そこで研修できるとかいうことで入ってきているというのと、専門の芸術家にはならなくても、自分がつくりたいものをつくって、それを観光客相手に売ったりしながら、それ以外のところは自分でちょっと野菜とかもつくって自然の中で生活したいみたいな、自然志向といいますか、そういう意味の時代の流れ的なものはあるなと思いました。

弥栄村の場合でも、25年間住んだらば土地と家をただでもらえるというような施策で大勢入ってきたわけですが、そういった人たちも、何か農業的なことをやりたいと思って来たと。ただ実際は、土地の問題とかがあって、家庭菜園的なことしかできないけれども、というふうになっているんですね。

横田町も弥栄村も、もっと本格的に農業後継者あるいは林業後継者をというようなIターン施策を行っていまして、研修期間1年間とか2年間、月15万円ぐらい保証しながら研修をしてというような形の制度をやっています。まだ始まって3〜4年ですからなかなか歩どまり率みたいなものをはっきりは言えないんですが、やはり3分の1から半分ぐらいは、途中でやめるか、あるいは、2年問ぐらいの研修が終わった時点で、やはり農業はやっていけないというような形になってしまうという率がちょっと高いんですね。

林業の方は、割合森林組合での雇用というようなことで弥栄村なんかやれているようなんですけれども。

横田町も研修期間に15万円ぐらい出せるというのは、県の助成とか町の助成とかプラス、農業公社をつくってそこで技術指導をしたいとかというふうにやってるし、研修が終わったらば農業法人をつくってそこで農業をやってくださいみたいな、かなり土地なんかの保証とか立ち上げの資金の融資とかもやっているんですが、2年たった後自分はここで農業をやっていこうというふうなところまではなかなかいかない。そういう点では、土地の確保をもうちょっと優遇すればとか、機械のリースをいろいろやればとか、立ち上がり資金があればとか地元では考えていますが、大きく見た場合、農業で、特に花卉というようなものでやりたいと来ている人が短期間、2〜3年そういうことをやればかなり専業的に生活ができていくという見通しが、やはり現在の農業情勢の中ではないと。

弥栄村の場合も、協同農場という有限会社が受け皿になって研修とかを受け入れているんですが、終わった後そこで大勢雇用できるというような条件はないし、個人でやるためにはなかなか見通しが立たないしということがある。ごく部分的に森林公社等で雇ったり、あるいは、研修が終わってから農業ではなくて加工品の3セクの方の職員として残ったりというような人はいるけれども。かなり自治体としてやれる施策はやってるんではないかなという気がするんですが、なかなか専業的に農業でというようなことは難しいという状況を感じましたね。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION