これで、ああ、こんなに役所の親切な町ならやっていけるな、ということを考えたという人が1人だけじゃなかったんですね。実際のUターン、Iターン者に対するヒアリングの席で出てきた話です。これは、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、私にとってはちょっと意外なほどこの問題は大きいんじゃないかという印象ですね。
以上、まずそれだけ申し上げます。
柴田委員長 ありがとうございました。
アイウエオ順といって失礼しました。年齢順でございます(笑)。アイウエオ順ならトップになる青野先生、それではお願いいたします。
なお、青野先生は、「地理学評論」に載った江崎さんなどの方々が書いた論文を私どもに前に御提供くださったこともあり、このお話もいただけたらと思いますが、これは後にすることにいたしまして、調査の印象というのをお話しいただきたいと思います。
青野委員 私は熊本県の2つの村に行ったわけですが、片方の久木野村というのは余り積極的にやってないという村です。もう1つの泉村というのは非常に積極的にやっているという、好対照をなす村を訪ねてきました。人口は2600から2800という村です。
久木野村での印象は、交通体系が整備されてきて、熊本市とか熊本空港に非常に近いものですから、Iターンがほうっておいても増えるという傾向があるようで、Uターンは歓迎するけれども、Iターンはさまざまな問題を起こすというようなスタンスが役場の基本のような印象を受けました。
実際やってますのは、地元雇用をふやすということで、かなり積極的に観光開発をやっています。また、企業誘致もやっています。出産祝い金とか村営住宅もやっているんですが決め手とは思えませんので、ここではUIターンいずれも、いわば自然に任せている、放っておいても人が入ってくるということで、村役場全体としては消極的なんですが、Iターンで人が増えるというのは必ずしも歓迎していません。
それではどうなっているのかというと、宅地開発は民間の開発業者が始めておりますので、かなり小規模、無秩序な宅地開発がこれから進むんじゃないかと思われるんですね。ですから、こういうところにおいてのUIターン政策というのは、ちょっと難しいですが、むしろ規制をするような形を取るのかなという印象を受けました。今のところ、役場としては放任している。
いっぽう、泉村の方は逆に非常に熱心にやっておりまして、定住促進条例とか起業家事業資金貸付条例とか、村営住宅を幾つも建てています。特徴的なのは、住宅団地を谷を埋めて造成してまして、宅地の貸付けや分譲をやっております。そこへの入居者の分析をしますと、かなりUターン、Iターン者が入っているという状況がわかりました。