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過疎対策として当時どんな対策を進めておったかという町村の対策でございますが、工業導入を通じて収入を拡大するとか、日常生活面の環境整備ということが重要なのでございますが、経済動向によりまして工場誘致等の工業導入というのがなかなか進まない。あるいは、生活環境整備等も格差是正として非常に努力はしているけれども、Uターンの動機としては大きな要因にはなり得ていなかった。こういうふうな結果で、町村自体はいろいろな施策を講じて進めておりますが、余り効果としては上がっておらなかったということであります。

それから、この報告書で非常に強調されておりますのは、時代の環境がそういうふうになっておるんだと思いますが、その地域地域で受け継ぐべき家庭の跡継ぎで戻ってまいりますので、受け継ぐべき家庭の経済的な意義というか、力というものが喪失してしまうことになっては過疎化が進んでUターンというものも進まないということで、基盤産業である農業の振興ということを非常に強調しております。

ただいまちょっと申し上げましたように、工場誘致というのが非常に大きな人口誘因になるんですが、経済動向上、余り一般的な促進対策としては進められないというふうな状況等もございまして、農業生産性の向上、土地利用の高度化ということを非常に強調しております。ですから、農用地が荒廃地になるのに歯止めをかけて再開発をしなければいけないという農林業指向を非常に強調しております。そのために、調査地域の中では、群馬県の昭和村で野菜供給基地を整備していったとか、和歌山県の古座町でポンカン栽培なんかを一生懸命やって効果を上げているという具体例が紹介されております。

この調査報告書で最後に、全体の傾向として各調査地域で座談会を頻繁にやっておられたようですが、Uターンの方々と熱心な話し合いをされて、Uターンの方々のほぼ全員一致、共通の考え方として、大多数のUターンの動機というのはあくまで家を継ぐということでUターンを決めた、戻ってきたというふうなことが強調されておりました。

簡単でございますが58年度は以上で、次に移らせていただきます。

その次は平成5年、ちょうど10年後でございます。国土庁の委託で「過疎地域における定住推進方策に関する調査研究」、先ほど委員長からお話しがございました宮口先生が委員長で、北海道の池田町とか6町村の調査もされております。小田切さんが参加されておられます。

冒頭に宮口委員長のまとめの報告がございまして、それによりますと、自治体の存在意義というのは住民福祉の増進にあるわけだから、住民が総合的な喜びがわくような状態をつくり出すということが重点だと。そういう地域社会そのものについて、何らかのイノベーションが伴わなければならない。そのために戦略的な総合計画が必要になるわけですが、住民の力をどこまで活用できるかということが課題であると。こういうイノベーションを起こすのに、UIターンの人々の力を十分発揮し得る場であるという点でも、委員の先生方が共通の理解をされておられたということでございます。UIターンの人たちはその土地土地の多様な価値を見つけ出す目を持っているということから、そういう力を発揮し得る場がある。したがって、地域社会についての何らかのイノベーションというものを起こしていくような人材であるということを、冒頭のまとめに述べておられます。

 

 

 

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