58年度ぐらいになりますと、昭和35年あるいは45年以来の人口の移動激化というものもだんだんおさまってまいりまして、人口の流動が鈍化してきたという時代でございます。しかし、相変わらず転入転出も非常に多い。特に北海道あるいは九州など、転入も多いが転出も非常に多いというふうな地域で、そういう流れの中で過疎化が進んでおったという時代でございます。
転入が多いからといってUターンが多いというわけではございませんで、この調査報告では、本当に自分の戸籍のある町、本籍地へ戻ったというふうなケースを6割くらいの方々がやっておりまして、これらの原因を調べましても、専ら個々の家庭あるいは個人的事情のUターンというものが圧倒的に多い。1つの時代の流れとしてUターンが進んでおるというふうな、社会的な成熟の流れまではまだない。こういうふうな評価をされております。でありますので、地域の事情によって、工場が導入されたり、橋がかかったなどでUターンが促進されたという例も紹介されておりますが、あくまでそれは特殊なケースであって、ほとんどが専ら個々の家庭や個人的事情によるUターン。これは9町村調査をしまして、そういうふうな調査結果が出されております。
Uターンの大部分というのは若い人たちであるということで、そのUターンの理由も、親の跡継ぎのためにという家庭の事情でUターンしてきたというのが6割以上という結果が出ております。大部分のUターン者は家を継ぐということがあらかじめ頭の中にありまして、村あるいは町を離れたときから将来Uターンを自分で予定しておる、あるいは、周囲から予定されておる、こういうふうなUターンが大部分の現象でございました。これを予定型Uターンというふうに申しておりまして、これが圧倒的に多いということでございます。
ですから、Uターンの理由を見ましても、親の老齢化など家庭の事情でUターンというのがほとんどでございまして、例えば生活環境条件の整備等による過疎対策の成果としてUターンが進んでおるというのは13%ほどで、非常に少ない。これを少ないと見るか、案外多いと見るかはありますが、過疎対策の成果としては少ない。まして、価値観の変化に伴ってUターンの意思決定をしたというのはさらに少ない。こういうふうな評価がされております。
Uターン後の職業形態というものも、どちらかといいますと、Uターンを支えている自分の農地あるいは家屋敷というものを基盤としてそこの地域に根を下ろす形のUターンが非常に多いということでございます。したがって、役場に勤めたとか、農協、漁協等に勤めたというふうな勤務形態の人たちのUターン、つまり、自分の町から出て自分の町へ戻ったUターンで、会社なんかに勤めたUターンというものが非常に多いというふうな調査結果が出ております。