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(3) 空き家の紹介(住居斡旋)

これまでの施策が、主に金銭面での支援なのに対し、これは住居面での支援で、町の支援の大本となっている施策である。

そもそものきっかけは、平成7年に福岡県内の方から、空き家を探して欲しいという手紙が来たことだった。その時は、役場の担当者が住んでいた集落に、たまたま空き家があったのでそこを紹介することにしたが、それ以後、町としてもIターン者を積極的に支援していくことにした。

その背景には、人口減少と地域や集落活動等の低迷からの脱却を図りたいという願いと、田舎暮らしを求めたいという人たちが増えてくる新しい時代の動きが相俟った他、情報化社会の進展による大都市との距離格差の縮小、分権化時代における地方の独自性の発揮、といった諸条件が変化する中で、田舎暮らし希望者へ支援していこうという施策を打ち出すことで、活力に満ちたまちづくり、住みたくなるまちづくりを進めていく狙いがあった、という。

町では、空き家を探して欲しいという連絡をきっかけに、町内にどれくらい空き家があるのかという調査を集落の自治委員を通じて行った。その結果、約30軒の空き家があることが判明し、町は所有者と話をしながら、町を通して移住希望者に紹介を行うという条件で、貸借する了解を得ていった。その際に、所有者とは、賃借料や改修の可否についても確認をとっている。移住希望者には、最初から購入を希望する人もいるが、まずお互いに良く理解することが大切で、購入はそれからでも遅くないという考えから、すべて貸借契約からとなっている。契約期間は1年で、特に申し出がない限り自動更新される。家賃は無料から5万円程度までで、平均は2万円程度となっている。貸借は現況のままで行い、改修の必要があれば借り手が行うことになっている。

移住者の募集は、富民協会が発行している「田舎暮らし大募集」という情報誌に、平成8年、9年と掲載したが、応募や問い合わせが殺到し、貸借してもらえる空き家が少なくなってきたことから、情報誌への掲載はこの2回のみとなっている。

現在では、空き家がでると町民から町に連絡が入ることもあり、町民の間にも移住者を受け入れて行こうとする意識がで始めている。もともと観光が盛んな町であり、よそからの受け入れに閉鎖的でなかったということも、町民の抵抗が少なかった要因のひとつと考えられている。

その後、田舎暮らし希望者受け入れに積極的な町として、マスコミ等にも取り上げられるようになり、今でも移住希望者が1週間に数組は訪れている状況という。しかし、提供できる空き家が少なくなってきており、待機者リストには50組以上が登録しているという。町では引き続き空き家調査を行うとともに、移住希望者向けの宅地分譲や住宅建設に取り組もうとしている。

 

 

 

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