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第10節 大分県九重町

 

I. 地域概況

 

1. 地域特性

大分県九重町は、大分県南西部に位置する人口12,022人(平成7年度国勢調査)の町である。人口は、毎年100人位ずつの減少だが、高齢化が進んでおり、高齢化率は平成7年度で24.7%となっている。

町の面積は271.4km2で、東西約19km、南北約23kmを誇る。町の中心部を筑後川の上流にあたる玖珠川が東西に流れ、これに沿いながらJR久大本線、大分自動車道が通っている。主な既成市街地は玖珠川沿いの段丘上に形成されている。

町の東南には、久住山を主峰とし、九州の屋根といわれる久住山群が位置している。町の南部は飯田高原となっており、なだらかな高原状の地形が広がっている。ここには、別府と阿蘇を結ぶ「やまなみハイウェイ」が通り、草原風景の美しいところとして、早くから九州有数の観光地として開けてきた。民間業者による別荘地開発も盛んで、およそ2000区画が販売され、うち800戸近くが建築されているという。町内には、冬になるとスキ場も開設され、九州内では珍しく、気軽にスキーを楽しめる地域となっている。また、福岡方面から湯布院、大分・別府へ抜ける観光ルート上に位置しており、通過交通量も多い。このような有数の観光地を抱えているため、入り込み客数も年間550万人を数え、県内でも2番目に多い。

交通の便は、JRに福岡と由布院、大分を結ぶ特急が1日6本(臨時列車を含む)運転されており、町内の豊後中村駅、もしくは隣町の豊後森駅に停車する。また、大分自動車道には高速バスが運行され、福岡空港や福岡市内中心部と直結している。自家用車では、高速道路を利用すれば、福岡市内から約2時間弱、大分市からも1時間程度で到達することができる。そのため、過疎市町村でありながら、大都市との交通の便は、非常によい環境にある。

町には地熱発電所が設置されており、地熱エネルギーによる発電量は日本一を誇っている。町の主な産業は、農林業と観光業である。農業は米を中心としながら、「1村6品」として、豊後牛、キャベツ、トマト、梨、生椎茸、花卉に力を入れている。最近では、町の特徴を出すために、標高差を利用し収穫時期をずらした栽培や、地熱を利用したバラの栽培、農業バイオセンターの設置などにも取り組んでいる。観光業は、先に取り上げた高原や温泉などを中心に、多くの入り込み客を得ている。温泉は、町内にある9つの温泉を「九重九湯」として売り出している他、滝や渓谷、ラベンダー園、牧場といった資源があり、誘客に努めている。しかし、入り込み客の内、宿泊客はおよそ1割程度と言われており、1人当たりの消費額が低いことが課題となっている。

 

 

 

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