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かなりのUIターン世帯、UIターン者が支給を受けているのである。その支給額(決算額)の合計は、965万円となっている。この奨励措置には見るべき成果があったと評価することができよう。

 

(2) 『泉村起業化事業資金貸付条例』と就業機会の創出

この条例による起業化資金貸付制度は、「ふるさと創生資金」を基金として、平成9年度に発足したものである。「本村における産業の振興を図ることを目的」(第1条)として、「村内の小規模事業者及び村内において新規に事業を開始しようとする者に対して、事業資金の貸付を行うことにより、経営の安定と新規創業の支援を行」(第1条)うものである。貸付の対象は、「常時使用する従業員が20人(商業サービス業については5人)以下の中小企業者及び農林水産業を営む者」(第3条)で、既存の事業者の場合は、「村内に住所及び事業所を1年以上有し、かつ、同一事業を1年以上営んでいること」(第4条)、村内での新規開業者の場合は、「村内に1年以上居住し」(第4条)ていることが要件となる。貸付の条件は、200万円以内、無利子、貸付期間7年以内、据置期間6月以内、担保は原則として不要、保証人1人以上(法人の場合は2人以上)、である。

 

第6表 泉村、「起業化事業資金貸付条例」の適用企業

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(役場の資料による)

 

この貸付実績は、平成10年度2件350万円、11年度1件200万円、であった。それら3件について示したのが、第6表である。観光産業を除くこの村の主要産業である建設業、茶業、林業の振興にそれぞれかかわる新規開業事業が対象となっている。村内での就業機会は、これら事業の創業により、10人確保されたことになる。このような産業の活性化および就業機会の創出はUIターンを促進する条件を整えることにはなるが、既存事業にせよ、新規事業にせよ、事業者が村内に1年以上居住していることが貸付要件となっているので、直接的に、UIターン者の事業創業、あるいは事業創業のためのUIターンを想定した制度とはなっていないと考えられる。

 

 

 

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