(c) 起業化支援助成
久木野では、平成5年に、『久木野村起業化支援助成事業要綱』を施行している。これは、「地域資源を活用した産業の育成」(第1条)を図るため、「地域産業の起業化と雇用促進を目的に」(同条)、「新たに3名以上の雇用を行う」「投資額が1千万円以上の事業」(第2条)を起業化(創業)する、「村内に10年以上居住しているもの」(第3条)か、あるいは「村内に所在するする団体・グループ等が母体となって会社設立を行い法人格を有するもの」に対して、「投資額の10%以内…五百万円を上限とする」(第4条)助成金を交付するものである。これは、前出の第6表に示した、地元農家10戸で創業した「久木野村ドリーム鹿園」に適用された。
(2) 村営住宅関係
昭和31年に制定された『久木野村営住宅管理条例』が、平成10年に全面改正され、これに基づき平成10年〜12年に14戸が建設された。なお旧条例による村営住宅は2棟ある。村営住宅への入居資格には、所得制限(一ヶ月収入20万円未満)があり、現に村内に居住し又は村内に勤務先を有すること、かつ、現に同居し、又は同居しようとする親族があること、が条件となっている。したがって、この制度は、UIターン者に広く開かれているわけではなく、これによって、UIターンによる定住が促進されるとは考えにくい。つまり、UIターン促進効果は結果としては一部はあるものの、それを主に意図したものではなく、したがってその効果について多くは望めないと思われるのである。
(3)出産祝い金制度
平成9年に、『久木野村すこやか赤ちゃん出産祝金条例』が制定施行された。これは、「久木野村に住所を有する者が出産した場合に」(第2条)、「第一子から5万円」(第3条)の祝い金を贈る、というものである。ただし、「出産のための一時転入者を除く」(第2条)としている。これにより、平成9年度14件、10年度17件、11年度9件、計40件の出産に対して祝い金が贈られた。
6. UIターン者の事例
久木野村でのUIターンの事例として、2組の夫婦のヒヤリング調査を行った。ひと組は20歳台後半(UIターン当時)の夫婦で、夫の勤務地の京都市(警備会社勤務)からのUターンである。他のひと組は30歳台後半(当時)の夫婦で、夫の赴任地熊本県天草町(小学校教員)からのIターンである。