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また、今回の現地調査の際に村の担当者のまとめた文書によると、「村では、民間業者が多くの土地を分譲販売している現状があり、今後も増える傾向にあった」り、「村としては、Iターンが急に増えることにより、地元住民とIターン住民との関係、排水の問題、公役・地元消防団の運営をどうするかの対策を考えなくてはならない」ところにきている、とのことである。

 

5. UIターンに関する施策

 

上に見たように、久木野村へのUIターンは増加しつつあると思われるが、村の施策としては、Uターンによる若年層の定着に対しては積極的な姿勢を示しているが、一方、Iターンに対しては、消極的な、どちらかと言えば否定的な姿勢を示している。

今回のアンケート調査では、「UIターンによる定住の促進に対して、これまでに行政としてどのように取り組んできましたか」の質問に対して、「これまでに取り組んだことはない」と回答している。そして、その理由としては、「UIターン者向けの住宅がないから」、「行政として取り組まなくても、UIターン者の定住があるから」(選択回答)を挙げている。また、今後の方針としては、「取り組んでいくが、慎重に進めたい」(選択回答)としている。

このように、Uターンによる定住促進に対しては積極的な姿勢が見られるものの、はっきりとUターン定住促進策と銘打った施策はない。しかし、実際にはUターンによる定住促進とかかわる具体的な施策が取り組まれている。それらは、地元就業機会の創出・確保や農家の所得増大とかかわる観光開発施策および企業誘致政策、村営住宅の建設・維持管理、出産祝い金制度、などである。

 

(1) 就業機会・所得機会の確保

(a) 観光振興

すでに見たように、久木野村では、農家世帯の崩壊を回避するために、農業の振興と並んで農家の世帯員の地元での就業の機会の創出・確保が重要な課題とされている。中でも、農業の振興とかかわらせた観光開発が取り組まれているのが特徴的である。

 

 

 

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