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研修後町内で営農している4人のうち、生産法人を組織して農業公社から土地の提供を受けたものは2人で、ほかの2人は個人で営農している。このインターン制度は、研修後は生産法人を組織することが「条件」であった。農業生産法人の組織を条件に、公社の土地の分譲(貸与)をすることとしたのは、前述の理由のほかに、公社としての就農者確保のためもあった。

横田町は、もともと小規模な稲作と肉牛繁殖が農業の中心だったが、「裏山開発」による複合経営化・大規模化を目的に国営農地開発事業を導入し、20年の歳月をかけて370ヘクタールに及ぶ畑地を造成した。しかし、その間、過疎化と高齢化がすすんだうえに、畑作は素人が片手間にできるものでもないため、担い手が決定的に不足することとなった。農業インターン研修制度の創設と、就農の際、公社の土地での共同経営を「条件」としたことの背景には、公社での畑作専業農家の育成があった。

もちろん、新規就農者にとっての大きな障害が、農地の確保にあることを考えれば、この「条件」はインターン生にとっても、望ましいこととはいえる。しかし、個人で営農する道を選択した2人の場合は、公社の土地の質(地味)が悪く収穫が望みづらいということが、大きな理由であったし、作りたい作目が異なるという問題もあった。その意味では、造成した畑地の土壌改良が、この制度の成否の鍵を握っているともいえる。

また、横田町農業公社では、インターン生の就農にあたり、機械のレンタルなどの支援策のほかに、立ち上がり資金やハウスなどの施設整備経費、さらには肥料の購入費用などを、公社として支援することも考えている。しかし、当初は横田町と横田農協とでつくった農業公社であるが、広域合併の結果できた雲南農協においては、横田農業公社および農業者インターン制度への手厚い支援には、厳しい反発があるという。

 

6 空き家バンク

 

横田町のUIターン対策においては、移住者に対する住宅の提供が目的意識的におこなわれてきたし、また、今後の重要な課題ともなっている。

横田町には現在73戸の公営住宅があるが、そのうち22戸は平成3年度以降8年間に建てられたものである。平成3年以前は、10年以上にわたって新規の公営住宅の建設はおこなわれていない。周辺自治体に新規企業の進出や既存企業の拡充傾向がでてきたことに対応し、「ふるさと人材確保推進室」の設置と併せて、平成3年度から直ちに公営住宅の整備に取りかかったことがうかがえる。また、若者定住ということから、公営住宅法にとらわれない単身者用住宅の整備が必要との認識から、町単独での若者独身住宅や、島根県住宅供給公社による若者向け賃貸住宅を建設してきた。

 

 

 

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