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5 農業者インターン制度

 

農業者インターン制度は、概ね35歳以下で、将来、横田町に定住し、新規に就農する意欲のあるものに、2年間、月額15万円を貸与して、農業研修をさせるものである。平成6年度にスタートした時点から、この制度は全国的な注目を浴びてきた。それは、この制度が、第3セクターの横田町農業公社が研修の「受け皿」となることによって、手厚い支援態勢を実現したことによる。研修生は、公社の臨時職員として事務所に自分の机をもち、他の研修生や公社職員とともに、公社の仕事をしたり研修を受けたりする。一人で集落に入った新規就農者(研修者)のように孤独にさいなまれることもなく、多様な技術指導を受けることが可能となる。また、経済的にも、公社の臨時職員として月額15万円の「給料」が保障されるし、既婚者の場合は妻を公社のパート職員として雇用するといった柔軟な支援態勢をとっている。なお、15万円の「月給」のうち5万円は、前述の「ふるさと島根定住財団」の産業体験事業の「長期滞在型」の助成が当てられ、あとは町が5万円、公社が5万円を負担している。

この制度が注目を集めたもう一つの理由は、研修後の営農に際しても、公社が土地や農機具などを提供することによって、新規就農にあたっての大きな障害を除去する、これまた手厚い支援態勢をとったことである。就農にあたっては、研修終了者が出資金を持ち寄り生産法人を設立することとし、それを条件で公社の農地を貸与することにした。それは、個人営農のリスクを回避するためと、行政が資金面での支援をおこないやすくするためであったという。

この制度がスタートした時点では、類似の制度が無かったこともあって、多数の希望者から照会があったという。町では、これらの希望者をすぐにインターン制度で受け入れるのではなく、ここでも「ふるさと島根定住財団」の産業体験事業を使って、まず短期的な研修を体験してもらい、その上で、2年間の長期研修を本当に希望するもの、あるいは町の側からみても途中挫折の危険が少ないものを受け入れることとした。このやり方はきわめて有効であったため、現在でも原則的には、インターン制度の前に、県の短期・長期の農業体験を受けさせることとしている。

現在まで、この農業研修インターンを受けたものは併せて8名である。そのうち2名が1年間の研修でリタイヤーしている。2年間の研修を終えたが、就農をあきらめたものが2名いる。個々の具体的理由は異なっているが、農業経営の見通しの厳しさが共通の背景となっている。

 

 

 

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