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推進室の活動において、UIターン希望者に対する情報提供・相談活動と並んで、もう一つの活動の柱となっているのが、UIターンしてきた者に対する生活相談活動である。推進員は、持ち込まれる生活相談に対応するだけでなく、自ら訪問して生活上の悩みを聞き、相談に乗っている。生活相談で出される要望としては住宅の斡旋、改修が多いというが、地域社会の慣習などに関する相談も少なくなく、そういった問題には推進員二人のコンビネーションが威力を発揮するという。

 

4 奥出雲手づくり村構想

 

横田町へのUIターンにおいて、工芸関係者の比重が高いことの背景には、町がすすめてきた「奥出雲手づくり村」構想がある。横田町は、たたら製鉄やそろばん製造など、工芸で発展してきた歴史を持っている。出雲では古くからたたら製鉄がおこなわれてきたが、斐伊川上流の横田町帯も、明治時代に近代製鉄におされて衰退するまでは、たたら製鉄が隆盛を誇っていた。戦後も、横田町に日本で唯一、「日刀保たたら」が再現され、ここでつくられた玉鋼は全国の刀匠に配られている。また、そろばん生産では、国の伝統的工芸品の指定を受けた雲州そろばんの産地として有名である。さらに町内には、木工芸、鍛冶、わら細工、竹細工などの伝統的な工芸技術が今も息づいている。

「奥出雲手づくり村」構想は、こうした工芸の歴史と文化、技術、材料・資源を保存・育成するとともに、町を訪れた人々が実際に参加・体験することができるような工芸のメッカとし、定住と交流人口の拡大に結びつけようとするもので、平成6年度に策定された。

構想の策定、主要施策の検討にあたって町は、工芸による地域活性化に取り組んでいる全国の自治体を視察したが、施設づくりを優先させたところの結果が芳しくなかったこともあり、行政主導のハード整備、財政援助中心の近視眼的施策でなく、主役である工芸家に対して、オーソドックスに構想と横田町の良さとを訴えていくこととした。そのPRには、平成4年に創設された「ふるさと島根定住財団」の情報誌などが、非常に役に立ったという。

こうしたPRや誘致活動の結果、平成6年度に工芸家7家族が移住したが、それは、その後のIターンの先駆けとなったし、町が構想に「手応え」を感じる要因ともなった。工芸家7家族の内訳は、染色家(東京)、刀匠(千葉)、組み木作家(山口)、日本刺繍家(京都)、造形作家(岡山)、染織家(県内)、そしてガラス工芸家(大分・湯布院、Uターン)であった。

 

 

 

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