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また、農地の取得や町営住宅などへの入居も、保証人が必要となるケースが多いが、その保証人を「町民に限る」としているケースが多々ある、との指摘もあった。Iターン者であれば、その地にすぐに保証人になってもらえるような人を作るのは難しいが、何かに取り組もうとして、保証人を立てて欲しいと言われても立てようがないことの方が多い。この点は、別の形の保証制度の導入など、制度運用を見直すことで、解決できると思われるので、町の対応が求められよう。

 

IV. UIターン推進のためのポイント

 

1. UIターン推進の意義と効果

新得町が定住促進策を進めるのは、町として、人口を増やすことが大事と考えているためである。北海道の市町村は、もともとが開拓からスタートしているので、住民も外部からの移住者を温かい目で見てあげることができるのかもしれない。

地域特性でもふれたように、町は新得地区と屈足地区の2つの大きな市街地からなるが、JR駅や役場がある新得地区に比べて、一方の屈足地区の相対的地盤沈下が目立つようになってきた。屈足地区に集中して展開されている、宅地分譲、療護施設誘致、固定資産税相当額補助などは、屈足地区を活性化し、屈足地区での定住を進めていく点では効果的な展開となっている。

また、レディースファームスクールや新規就農者支援育成条例の制定なども、町外からのIターン者の確保と、農業への従事を進め、定住者を確保させるのに効果があったといえる。そのためには、町からの費用負担や、特用林産物への支援枠の拡大など、町の人口を増やそうとする積極的かつ柔軟な対応があって、なされたものであることもふれておく必要があろう。

 

2. 事例から見るUIターン推進のためのポイント

(1) 地域における先輩住民の存在

今回ヒアリングをしたAさん、Bさんとも、地域でいろいろと世話をしてくれたCさんの存在が移住を踏み切る要因になっている。行政的な支援は、役場サイドで整備拡充が可能だが、普段の実生活の面までは、行政が面倒を見ることは出来ない。そこで、地域の中で移住者の細々とした疑問に対応したり、面倒を見てくれる人がいると、すんなり地域にとけ込めるようである。職場で言えば、面倒見の良い先輩社員のような役割を担ってもらえる人が地域にいると、移住者も定着しやすくなり、地域コミュニティ内で無用なトラブルが起こるようなこともなくなるのではなかろうか。

 

 

 

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