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3. UIターンに求めたもの

Aさんは、農業に関わるうちに農業が好きになり、将来的にもやってみたくなった、というが、ただ農業をやるのでなく、何か付加価値をつける方法を考えたとき、それが有機栽培だったという。自分のやりたい農業をやれる場所として新得町に移り住んだといえる。

Bさんも、北海道へ移住したいという夢を実現するために、その夢に初めて前向きに応えてくれたのが新得町であり、そこで人の知己を得たこともあって、移住することになった。やはり、自分の夢を叶えるために新得町に移り住んだといえる。

 

4. UIターン者からみた取り組みの課題

まず、町に対しては、2人とも肯定的な見方をしており、いずれも、(新規移住者にとって)入って行きやすい町、新規者を排他的に扱わない、どんな前歴かを詮索されることがない、などの町の人の目の温かさを評価している。また、行政の取り組みについても基本的に良い印象を持っている。

しかし、実際に移住してみて何とかして欲しいと感じている点として、次のような意見が出された。

ひとつは、生活環境面での課題である。

例えば、医療や買い回り品の購入などで不便を感じるという。専門病院にかかろうと思ったり、少し専門的な品物を買おうとすると、帯広などに出なければならない点に不便を感じている。

また、自家用車がない家庭にとっては、子供や高齢者の送迎が負担になることがあるという。バスなどの公共交通機関が不充分な状況では、子供が、学校でクラブ活動などをやっていると、父母の車での送迎が不可欠なことも多く、負担が大きいと感じている。これは、高齢者の通院なども同じような状況になっているといえる。

ふたつ目は、UIターン施策に関連する事柄であるが、町として本当にUIターンを進める気があるのかどうかわからない、という意見が出された。

町は、UIターン推進ということでなく、定住促進のための施策と称しているが、先に見たように、他の市町村に比べても、かなり充実した施策メニューとなっている。しかし、移住者からの評価は、必ずしも100%でない事が伺える。移住者と直接接する担当者に対しては、各個人の状況や意を十分汲んでキチンと対応してもらっていると感じているが、その分、組織立てて動いてもらえてはいない、という印象を持っている。それぞれの移住者の要求と、各担当セクションの間で、窓口に立ってもらっている職員が苦労している、と感じているようである。

 

 

 

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