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援助の多くは仲介業者による国際結婚をした人や、偽装パスポートで入国して結婚した人達への国籍問題、台湾への定住で、カウンセリングは行っていない。その他、国際結婚をした人を対象に中国語のクラスを開いている。ISSJでも仲介業者による国際結婚の被害者、偽装パスポートでの入国・結婚などの相談ケースが増加しているのでその対応について話し合った。基督徒救世会は1982年に設立された国際的なネットワーク、資源を持つ団体である。家族の在り方の啓蒙活動を柱に国際結婚・離婚のカウンセリングを行っているが、あまりその存在を一般に知られていないようでケース数は少ない。カウンセラーはカウンセリングの専門教育を終了後、団体が作成したカリキュラムに沿って厳しいトレーニングを受けており、質の高いカウンセリングをしていると自負している。また、交流協会台北事務所の山下氏と、台湾国籍の男性と結婚した日本女性の国籍問題、在留資格について討議した。2000年2月の国籍法の改正により7年以上、あるいは配偶者の場合は5年以上台湾に住んでいれば永久居住権が認められるようになった。これにより、離婚後、あるいは夫が死亡後も在留資格を喪失することなく居住できることになった。以前は子どものために夫の暴力や非人間的な扱いにも我慢してきた外国籍妻たちの人権擁護のために画期的なものであるとのことであった。

今回のアンケート調査およびインタビューの結果、台湾で国際結婚した日本人女性の悩みや抱えている問題を整理し、今後のカウンセリングの方向性をつかむことが出来た。彼女達が問題解決のために望んでいるのは法律的、社会的サポートであり、専門家によるカウンセリングであった。また、日本においてISSJでカウンセリング終了後、台湾に行った相談者のフォローアップや緊急相談のためにパールバック財団、基督徒救世会の2カ所の機関が今後も情報交換、および援助することになり、ネットワーク作りの目的も果たすことができた。

 

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現地ソーシャルワーカーと打ち合わせ

 

◆香港における国際結婚・離婚に関するカウンセリング◆

平成13年2月6日から9日までソーシャルワーカーが香港を訪問し、ISS香港と国際結婚・離婚に伴う問題について討議した。香港にはアジア諸国からの労働を目的とした入国者が、本土復帰後も跡を絶たない。

 

 

 

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