この協定の目的は(第1条)
1. トランジット輸送を簡素化し、ASEANの自由貿易地域の実現に寄与し、経済統合を促進すること
2. トランジット輸送の簡便化ために、輸送、貿易ならびに、通関の諸規則を簡素化し調和させること
3. 効率的で統一され、かつ調和のとれたトランジット輸送システムを確立すること
であり、トランジット輸送を円滑に行うために以下の条件整備を行うこととした。
・トランジット輸送のルート(第6条)
・国境施設の場所や施設(第7条)
・道路輸送規定(第8条から15条)
・鉄道輸送規定(第16条)
・税関手続きや衛生(Sanitary)確保の規定(第17条から19条)
また、目的の達成に向けて細則(Protocol)作りにも着手している。
その内容は
1. ルートと国境施設
2. 国境通過ポイント
3. 使用自動車のタイプと数量
4. 使用自動車の技術的充足事項
5. 自動車輸送における賠償責任保険
6. 鉄道輸送における国境通過ポイントと駅
7. 税関手続き
8. 衛生関連(Sanitary)
9. 危険品手続き
であるが、2000年末時点で3と4しか公表されていない。
この協定に準じる形で、域内2国間輸送の簡便化協定である「ASEAN Framework Agreement on the Facilitation of Inter-state transportation」の締結に向け、2000年の運輸担当者会議において、さらなる努力をすることが確認されている(2000年末時点では未合意)。
この協定もトランジット簡便化協定と同様に合意され、かつそれぞれの協定の細則が決定されれば、域内輸送自由化への法的な裏付けが整備されることとなる。各国はその後、両協定の趣旨に沿って国内法等を整備させていくことになる。