報告書の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Load and Load Effects
3. Capacity
4. Installation
5. Design Criteria
6. Inspection、Repair and Maintenance
7. Conclusion and Recommendations
委員長がやむを得ぬ事情のため欠席したため、Prof. P. T. Pedersenの司会の下、代理のProf. R. N. Burke (英)が報告書の概要を紹介し、Prof. A. E. Loeken (ノルウェー)が指名討論を行った。
指名討論に対しては時間帯を改め、午後にProf. Y. Baiが回答を行った。
パイプライン、ライザーについては流体力評価に関して課題が残されており研究が進行中である。今回のレポートではCFDの一般的現状が紹介され、高レイノルズ数における流体・構造の連成応答の評価に関して多くの課題を抱えていることが指摘された。特に、渦放出による振動問題であるVIVに関しては、応答評価手法の開発がホットなテーマとなっており、現状が紹介された。これは石油開発の対象となる水深が増大し、ライザーの疲労と衝突問題に関心が集まり、評価手法に関心が寄せられていることによる。特に、これまで実験ベースに得られた知見を集積する形で応答モデルを構築する手法、CFDを援用した手法の開発動向など、現在進行中の研究プロジェクトについて詳しく報告された。
パイプラインの強度に関しては、全体座屈、断面形状の設計、さらに大水深への適用に関して進行性の座屈破壊について紹介された。パイプラインは成熟した技術分野とみなされることが多いが、設計に関してはライフサイクルデザインが注目されている。会議の当日にはProf. S. Estefenからパイプの疲労実験の最新の状況が紹介された。本委員会は今回を持って終了することとなった。(鈴木英之)
Specialist Committee V.6 Fabrication Technology
本委員会は委員長のMr. Wilckens (独)以下、Mr. Hanzalek (米)、Prof. Jastrzebski (ポーランド)、笹島氏(IHI)、Prof. Jang. (韓)およびProf. Shenoi (英)の6名の委員から構成される。本委員会は1994年に発足し今回が2回目の報告になるが、その活動テーマは、船と海洋構造物における工作工程全般の現状調査、残留応力と変形が強度構成部材とシステム性能に与える影響の調査、生産設計およびライフサイクルや保守性を考慮した設計の調査、の3点である。
また報告の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Materials
3. Fabrication Technologies
4. Fabrication Methods
5. Fabrication Imperfections
6. Rational Approach to Quality Standards
7. Life-cycle Cost
8. Conclusions and Recommendations
Dr. Borzecki (ポーランド)の司会のもと、委員長のMr. Wilchensから報告内容全般についての説明があったが、とくに生産設備のロボット化の進展、複合材料を始めとした新材料の使用などが説明のキーワードとして使用されていた。その後指名討論者の宮崎氏(日立)が、過去30年間にわたる日本造船産業の生産設備の歴史的変遷をきわめて要領よく説明し、それをふまえたうえで、レーザー切断やレーザー溶接の造船への導入可否、残留応力のないTMCP鋼研究の可能性などについての討論があった。
また会場からは、サンドイッチパネルの組み立て法、生産設計の重要性、異種材料間の接合方法や製造工程のシミュレーションなどについて4件の討論があり、委員会報告に対する関心の高さを示していた。次期も本委員会は継続することになり、委員長はMr. Wilckens(独)が続投することとなった。(武田裕)
Special Task Committee VI.1 Extreme Hull Girder Loading
本委員会は、最終強度に関わる荷重の直接計算法について標準的手順を検討するために設けられた一期限りの特別任務委員会である。委員の構成は、委員長Dr. J. J. Jensen (デンマーク)、Prof. R. G. Beck (米)、Dr. S. Du (中)、Prof. O. M. Faltinsen (ノルウェー)、Mr. N. Fonsseca (ポルトガル)、Dr. E. Rizzuto (イタリア)、Dr. D. Stredulinsky (カナダ)と渡辺博士(船研)の計8名からなる。この内、今会合にはBeck、Stredulinskyを除く、6名が出席した。
本委員会関係の討論は、日程第三日目、10月4日の午後1時半から2時55分に行われた。セッションの議長はデンマークのProf. P. T. Pedersen、指名討論者は米国のDr. Y. S. Shinであった。まず委員長のProf. J. J. Jensenから報告書の全体の紹介が行われた。報告の目次は以下の通りである。
1. Introduction
2. Non-Linear Ship Hydrodynamics
3. Comparative Study of Non-Linear Methods and Model Experiments