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疑問への答え

1. 風成表面海流によって表層水が陸から沖へ運ばれると、深層水の上昇を促す。その冷たい上昇水には豊富な栄養素が含まれており、それが植物プランクトンの生長を促し、さらには高生産性の漁場をもたらす。海洋植物は太陽光が届く、海面から水深200m以内の範囲に生息している。

2. 大部分の動物プランクトンは夜間に植物プランクトンを食べるために表層面に移動し、昼間は深い海中に潜る。動物プランクトンは死亡すると体内の炭素と共に海底に沈む。

3. 植物とバクテリアは食物連鎖の最下位に位置している。羊のように草を食べる動物は食物ウエッブ(web)の高い位置にある。

4. 極軌道を回る人工衛星は潜在的に二日間で世界全体を”見る”ことができる。その軌道高度は静止衛星よりも低い。従って、さらに細かいものまで観察できる。この極軌道衛星はある一定の地域を毎日一回、同じ時刻に通過することができる。このことは、太陽光を利用して海色や陸上の植生を測定する装置にとって重要なことである。他方、静止衛星軌道からは地球半球のほぼ全域を同時に観察できる。約30分毎に測定を繰り返すことでハリケーンや気象状況の追跡調査が可能であり、気象観測に利用される。

5. 陸と海の加熱率、冷却率の違いが大気の循環に影響をあたえる。陸地は海水よりも熱の吸収速度、喪失速度が速い。このため陸と海では温度の上昇率、下降率が異なる。昼間熱せられた陸上の空気は上昇し、その後に海側から冷たい空気が入り込む。この小規模な空気循環を「海風」と呼ぶ。通常この現象は日の出の3〜4時間後に始まり、午後の早い時間にピークに達する。一方、夜になると陸地の熱が大気中に放出され、陸の方が海水より冷たくなる。すると、冷たい陸上の空気は比較的暖かい海の方へと流れだし、そこで暖められて上昇する。この空気循環を「陸風」と呼ぶが、通常それは夕方遅くに始まり、日の出近くにピークに達する。

6. 地球の温暖化にともなう海面上昇には幾つかのメカニズムがある。気温が上昇すると極地の氷が溶け出して海面を押し上げる。

 

 

 

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