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海水の温度が上昇すると海水が膨張し海面も上昇する。しかし、過度の海面上昇は沿岸地域の都市や他の低地地帯に洪水をもたらす危険がある。そこで科学者たちは地球温暖化と海面の高さの関係についてさらに研究をつづけている。

7. プランクトン(浮遊性の微小な動、植物)は太陽光のとどく海水面近くに生息している。そこで、人工衛星から海色の変化を調べれば海洋植物の生長状況が分かる。

 

(4) クロロフィル

クロロフィル:クロロフィル-a濃度は海洋の一次生産性に関する衛星イメージ・プロダクトの主要インプット・データであり、海流やジェット流、プルーム(plume)等のトレース調査に利用される。単位はmgm-3である。

クロロフィル濃度の判定に際しては、クロロフィルならびにその共変デトリタス色素が共に優勢な海水のクロロフィルを「ケース1」、クロロフィルと共変はしないがその光学特性に影響を与える物質、例えば、ゲルブシュトッフ(gelbstoff=変色性海中溶解有機物、CDOM、の一種で吸収スペクトルは400nm)や、浮遊堆積物、植物性鞭毛虫類、デトリタス(砕屑)、およびバクテリア等を含有する海水のクロロフィルを「ケース2」、とする。クロロフィル濃度パラメーターには3通りあり、それぞれ異なる技術で測定する。即ち、(1)クロロフィルMODIS、(2)クロロフィルa(SeaWiFS)、及び(3)クロロフィル(半解析)、である。

(訳注:MODISとはModerate Resolution Imaging Spectroradiometerの略で、「中解像度イメージング分光輻射計」の意。SeaWiFSとはThe Sea-viewing Wide Field-of-view Sensorの略で「海洋観測用広視野センサー」の意。)

クロロフイルMODIS:

クロロフィルa濃度は海洋の一次生産性に関する衛星イメージ・プロダクトの主要インプットデータであり、海流やジェット流、プルーム(plume)等のトレース調査に使われる。

単位はmgm-3である。

このイメージ・プロダクトには「ケース1」(即ち、クロロフィルならびにその共変デトリタス色素が共に優勢な海水のクロロフィル)、および「ケース2」(即ち、クロロフィルと共変はしないがその光学特性に影響を与える物質、例えば、ゲルブシュトッフ<変色性海中溶解有機物、CDOMの一種;400nmで吸収>や、浮遊堆積物、植物性鞭毛虫類、デトリタス<砕屑>、およびバクテリア、等を含有する海水のクロロフィル)の双方のクロロフィル濃度情報が含まれる。このMODISではクロロフィル濃度をクラーク第3帯域、または第4帯域のアルゴリズムで判定する。

 

 

 

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