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この複合イメージの製作には、9-トラックのコンピュータ・テープ12000本に収められた約4000億バイトのCZCS生データを使用した。

陸地の植生パターンは、NOAA-7号衛星の可視光、および近赤外センサーからのイメージデータを毎日、3年間に亘って収集したものをもとに作成した。

 

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図4 海洋のクロロフィル衛星イメージ

 

5) 植物プランクトンのダイナミックス

植物プランクトン・バイオマスの時間依存性変化(=植物プランクトンのダイナミックス)は物理的、化学的、そして生物学的な種々のプロセスの複雑な相互作用によって起こる。そこでは、光合成に必要な太陽光と植物栄養素の存在が特に重要となる。年間を通して十分な太陽光が得られる熱帯地方では、海水の表層水部へどれほど多くの植物栄養素が供給されるかによって植物プランクトンのダイナミックス(動的特性)が左右される。このプロセスには海表面の「風」も重要な役割を担う。

赤道に沿った沿岸地域では風の条件さえよければ栄養密度の高い冷たい表層水が海表面に湧き出して植物プランクトン・バイオマスの急増殖、いわゆる「ブルーム:bloom」現象をもたらす。

 

 

 

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