今後、鮮度保持メカニズムの解明に向けては、生命科学的アプローチを必要とする
・鮮度効果伝搬の解明
魚体にかかわらず生体組織は、物質の浸透は表面から数ミリメートルが限度とされている。しかし、鮮度液は、大型魚種であるマグロの中心部までも効果的に作用していることが判明している(本報告書の鮮度保持試験の項を参照)。一方、鮮度液は、個体の死後にも同様に作用する。こうした現象は、物質の浸透現象では説明が困難である。
是非、作用メカニズムの解明に期待したい。
・新しい概念である異なった深度の海水(深層水等含む)調合の探査
当組合が開発した海ヤカラ1号は、深度600mと1400mの深層水を取水することができ、前述の様に海域肥沃化、生物効果の諸現象が深度600mと1400mの深層水より発生していると言える。今後、深度600mと1400mにとらわれない、新たな深度の海水の調合を見い出す事が求められる。
生物効果現象は細胞代謝活動に直接関係しており、今後医学面からのアプローチがなされ、しっかりとした安全性の確立と人間等の疾病の予防等に活用される道が開けることを期待したい。