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7.3 鮮度試験結果のまとめ

魚の鮮度低下は、魚類により固有の進行速度(K値/経過日数)がある。このため回遊性海水魚と底棲性海水魚に区分けし、それぞれの漁獲後のK値変化の状況から深層水調合液添加氷(試験区=鮮度氷)を使用した場合と対照区の普通氷を使用した場合の鮮度保持効果の差異を検証した。

1) 鮪類(メバチ、キハダ、ビンナガ)

a) 鮪類(メバチ、キハダ、ビンナガ)は、鮮度氷で保存されたので、漁獲後約20日まではK値20を示し、その後25日位はK値35を保持できる(一般に市販されている鮮魚のK値は35と言われている)。

b) 本試験で用いた深層水調合液(鮮度液)の希釈倍率は10000倍レベルで、単に海水の希釈倍率だけを見ると非常に低濃度であるが、予想以上の鮮度保持効果が確認できた。

c) 魚体の自己消化の進行(鮮度低下の速さ)は、ビンナガが最も速く、キハダ、メバチの順になる。ビンナガは、カツオといつも引き合いに出される鮮度保持の難しい魚であり、肉質が弱くきめの細かい技術的対応をとる必要がある。

 

2) 底棲魚類(キダイ、アカアマダイ、ムシガレイ、メイタガレイ、エソ、イボダイ、ヨロイイタチウオ)

底棲魚類は、魚種が多く試験する場合には複雑である。

a) キダイの鮮度氷を使用した方は、漁獲後6日目でK値15以下を示し、12日目まではK値22〜23を保持できるが、普通氷使用ではできない。

b) アカアマダイは一般に肉質が弱い魚種で、日数が経過すると身崩れがする。鮮度氷を使用した結果は、6日目でK値約20、普通氷を使用したものはK値25〜28で、5〜8の差がある。以後、急速に自己消化が始まり鮮度低下の速い魚である。しかし、鮮度氷使用によって漁獲後10日目まではK値25を保持できるが、普通氷ではK値45を越え、両者は数値15以上の差異が生じる。

c) キダイ、アカアマダイ以外の6魚種は、K値推移の傾向からムシガレイ、エソとメイタガレイ・イボダイそしてヨロイイタチウオの3グループに分類される。この6魚種は漁獲後6日目の鮮度氷を使用した方は、K値が16〜17を示し、漁獲後10日目で35となる。ただメイタガレイは、同じカレイでも鮮度氷を使用した方はK値25を示すが、普通氷使用のカレイは35であり、その他の魚種は数値45で鮮度の低下は速くなる。ヨロイイタチウオは、鮮度氷使用の場合、漁獲後6日目でK値15を示すが、普通氷使用では18〜19である。

 

 

 

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