b) アカアマダイ
初日のK値測定日の試験区の数値は20〜22を示し、対照区では部位により少々異なるが25〜27を示している。試験区は3日目の測定日(漁獲後8日目)までは25を維持しているが、対照区は上昇している。
アカアマダイの肉質は美味しいが、K値傾斜線の勾配が示す様にそのままでは鮮度を長く保持できない魚である。
c) ムシガレイ
初日のK値測定日の試験区の数値は13〜15を示し、対照区では部位により少々異なるが17〜18を示している。試験区は5日目の測定日(漁獲後10日目)までは35を維持しているが、対照区は45を越えてしまい鮮度を維持することが難しい魚種である。
d) メイタガレイ
ムシガレイと同じカレイ類であるが、初日のK値測定日の試験区の数値は12を示し、対照区では部位により少々異なるが17を示している。試験区は5日目の測定日(漁獲後10日目)では26であるが、対照区は37、38を示すようになる。更に、7日目の対照区は50を越えてしまい食用向けにはならない。
e) エソ、イボダイ、ヨロイイタチウオ
この3魚種とも鮮度についてはほぼ同じ傾向を示している。初日のK値測定日の試験区の数値は15〜17を示し、対照区では部位により少々異なるが23〜24を示している。
試験区のエソ、イボダイの5日目の測定日(漁獲後10日目)では30であるが、対照区は35を越えている。ヨロイイタチウオは、第3日目の測定日(漁獲後8日目)まではエソ、イボダイと同様の傾向を示すが、5日目の測定日(漁獲後10日目)を経過するとK値が30を越え、その後急上昇する。このK値の変化から、一般のヨロイイタチウオの鮮度の良さを保つ限界は漁獲後10日であるが、鮮度氷を用いると漁獲後12日まで保持できることがわかる。
この魚は美味しいが、アカアマダイと同じく肉質が柔らかく弱いので、鮮度液の希釈倍率等の検討が必要と思われる。