7.2.2 試験-2
(1) 試験方法
1) 魚種:キダイ、アカアマダイ、ムシガレイ、メイタガレイ、エソ、イボダイ、ヨロイイタチウオ
2) 操業期間:平成12年11月21日〜11月27日
3) 操業回数:11月22日から26日までは1日8網、27日は4網で計44回
4) 操業海域:山口県沖合の周辺海域
5) 協力漁船:山口県以東機船底曳網漁業協同組合所属の沖合底曳き網漁船第
21仁洋丸 (75トン型) 漁労長 中尾末男氏
沖合底曳網漁業は1ヵ統2隻で操業するので、第21仁洋丸と第22仁洋丸で構成されている。第21、第22仁洋丸は、平成12年度に社団法人海洋水産資源開発センターが「新漁業生産システム構築実証化事業」を実施するため、同センター派遣の諏訪英博氏が調査のため第21仁洋丸に調査員として乗船し、平成12年8月から11月までの間、調査船として用船された漁船である。
6) 漁獲日:平成12年11月22日
7) 試験の手順:製氷工場の氷缶(135l)に定量の水(135l)を満たし、鮮度塩6.8gを添加後、鮮度液を6.8ml添加し凍結して試験区の鮮度氷とする。一方、既存の無添加の氷を普通氷とする。鮮度氷は、1755kg(135kg×13氷缶)製造した。
製氷日時は、平成12年11月16日午後1時30分に製氷作業を開始し、11月20日午前11時30分に氷缶より取り出し-7℃にて貯氷した。
試験船には、540kgの鮮度氷を使用した。
8) 漁獲物の処理:発泡スチロール函の下部に鮮度氷の砕氷を敷き(敷き氷)、漁獲した試験魚種を入れ、その上部に更に鮮度氷の砕氷を被せた(かけ氷)。
対照区は、既存の普通氷を試験区と同様な方法で行い、試験区、対照区ともいずれもあげ氷法で行った。
(2) 試験結果
沖合底曳網漁法の7魚種は、漁獲日、試験魚の受取日、K値測定日が全て同日である。試験魚は、頭部、腹部、尾部の部位のK値を測定した。
a) キダイ
最初のK値の測定日は漁獲後6日目で、鮮度氷を用いた試験区は15、普通氷を用いた対照区は18を示した。この両者の最初のK値差は部位にもよるが3〜5であるが、日数が経過するにつれて差が拡大し、漁獲後12日の測定では試験区が23であるが対照区は35を越えた。キダイは、K値傾斜線の勾配が緩やかなことからみて、鮮度が長く維持できる魚種であることがわかる。