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この図2-63の考えによると、海洋は北半球と南半球との極前線を結んだ中層を横切る不連続面によって二分されている。これより浅層は温水環流域で、以深は寒水環流域である。この寒水環流域内に図のような反対方向を持った流れ、即ち亜寒帯中層流、深層流、極底層流が存在する。

 

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図2-62 水温、塩分の垂直分布と成層

 

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図2-63 成層圏の流れ

 

そこで、海ヤカラ1号により取水される深度600mと1400mの海水を用いて生成される「鮮度液」について検討してみた。

深層水は、1)低音安定性、2)富栄養性、3)清浄性、4)熟成度、5)清浄なミネラル、6)浸透性等の特性が挙げられる。これらの特性のうち、鮮度保持に関係するのは、4)熟成度、5)清浄なミネラル、6)浸透性であると見られる。4)熟成度は、深層水の特性を端的に示すものである。深層水は表層水に比べて密度が高く、密度は海水の物性を考える上で重要なもので、水温、塩分、圧力の関数である。

水中の圧力は、水圧kg/cm2(ゲージ圧力)=深度(m)/10mであるから、深度1400mでは140気圧の水圧が加わり、海水は圧縮されていることになる。しかも、数千年以上と言われる長い年代に渡り深層に止まっている海水には未知なる特性があると考えられる。

次に5)清浄なミネラルであるが、海水中には、主要成分の他に多くの微量成分が含まれている。この微量成分の重要性は主要成分に比べて決して劣るものではない。

 

 

 

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