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“極限状態”に置かれた時が幸か不幸かいちばん己自身が見えてくる実感があります。

 

67. 見かけだおしの生活環境

黄山日語職業学校 815 宮崎弘之典

 

名山黄山への観光客が宿泊する山峡の街、蒼古たる伝統的商家が櫛比する老街で有名。

屋上から遠望すると山脈が青く霞み、新安江の流れが光り、田畑には水牛や山羊の影が散見される。早朝街へ自転車で野菜を運ぶ老婦の姿を見るのも愉しみ。

校舎前の池には緋鯉が泳ぎ、コブ白鳥が鋭く鳴きかわし、ルリ色の翼をもつかわせみが水面を滑走する。池をめぐる花壇には四季の花々が絶えることなし。自然環境はこの上なし。

住居は敷地内にあるホテルの一室。ホテルといえばきこえがいいが、内実は劣悪。北側に一室ゆえ陽光がさしこむことなし。下水が室内に湧出することあり。自炊設備なし。夜間ねずみの出没あり。洗濯機はないが、乾燥機あり。以上のような環境であるが、耐えられないことはない。我慢ならないのは二人一室に入られたことである。

これには心底まいった。独りきりになれる時空を奪われ、苛々がつのり、食欲を喪った。猛烈に抗議して変えさせたが、一ヶ月半かかった。今でも悪夢のごとく思い出す。一人一室入室可能か事前にたしかめてから赴任するとよい。

 

68. 学校への送迎は立派な車で

西安翻訳学院 766 鷲尾謙治

 

キッチンには浄水器や電子レンジもあり、エアコン、スチームも完備した快適な住環境です。ただ、水洗トイレが故障したり、台所の流しの下の水道管が、金属疲労のために夜半にはずれて、洪水に近い状況に見舞われたりするなどのトラブルもありました。

学校への送迎は、外人スタッフ専用のフランス製の立派な車でやって貰っています。アパート近辺に市場がいくつもあり、食料調達に便利です。まちの中心まで30分で至便。

 

69. 昼食は学校支給だが…

西安翻訳学院 816 嶋津訓一

 

1. 生活環境は抜群です。郊外の高級住宅街の一角。

電化製品、冷暖房完備の広い部屋(高級マンションの3DK)に2人で住んでいます。通勤はドライバー付きのDelux乗用車。週5日出勤の昼食は学校の食堂で、サービスを受けます。電話料のみ自弁。自炊も近くにマーケットがあるので不便はありません。

2. 給料や授業時間数など「契約」に反する問題がときどき出てきます。

最初1ヵ月の給料が1800元と示されたり、週16時間の契約が、途中から一方的に18時間に変更されたり、旅行費用が2期に分けられたり(12月に1100元支給)しましたので、その都度改善の申し入れをしています。

 

 

 

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