一行29名の皆に立ち上がって「謝謝」と挨拶すると感動の拍手が起こり、晴れがましい様相に変わっていきました。
私は、みなに何かお礼をしたいと申し出ると日本語科主任の肖祥鴻副教授は「みな自分のお母さんと看る如く、先生の看護に当たったのです。だからお礼はいりません片岡老師が学生に与える無償の愛と同じです。」ということであった。そして無事に十日間の旅を終えて一緒に帰って来ました。残された任期を相互の献身愛により学院の希望が達成できるよう頑張るつもりです。
71. 不得意なヒアリングを中心に
中国人民武装警察部隊学院 687 鈴木郁子
現在、日本語会話を中心に週8時間授業を担当している。第一外国語に日本語を選択している。(通称)日本語クラスの2年生(42名)、3年生(34名)、4年生(22名)の学生が対象である。
学生たちは「交流標準日本語」で中国人の日本語の先生から授業を受けており、読解のレベルは高い。
私のほうは教科書が特にないので、「日本語表現文型・中級」「みんなの日本語」「交流標準日本語」(重要と思われるところの復習をかねて)日本の新聞などから資料をつくり授業に使っている。ヒアリングが不得手の学生が多いので、聴解・会話を中心とした授業を心がけている。日本語能力試験のテープやNHKの番組からの録画もなかなか役に立っている。
外教宿舎の住まいと同じフロアに簡素な視聴覚室がある。土曜日や夜間、自習時間に学生がよくここにくるので、いっしょにビデオをみている。私は家族が録画して送ってくれる「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」を学生にみせているが、学生は「あすなろ白書」を持参する。両方ともとっても大好きのようだ。
早朝からの訓練、きびしい規律のなかの学生生活であっても学生は、はつらつとしていて、日本語の学習にはとても熱心である。卒業後は各地の空港での出入国管理事務や関係の公安部の仕事に就いている。必要とする実践的な会話が身につくようできるかぎりの努力をしていきたい。