日本財団 図書館


中国派遣・日本語教師

北京経験交流会資料

2001年3月18日

北京・友誼賓館

 

財団法人・日中技能者交流センター

 

教育上の視点から

 

1. 持参したビデオテープも活用

山西農業大学 720 神崎信輔

 

1999年9月からの赴任で1年4ヶ月が過ぎたところですが、やっと中国での生活にも慣れてきました。現在3班で合計60名に教えています。農業が専攻ですから、その授業が終わった後の夕方から夜に授業があります。朝6時半から7時半まで、教室で、日本語の教科書を朗読する学生の発音を直す個人指導をします。

外事処の方達が大変親切で、いろいろと、面倒を見てくれます。教材のこと、宿舎での生活のこと、手紙や小包の受け渡し、旅行をする時の旅館の予約や列車・飛行機の切符の購入など、きめ細やかな配慮をしてくれます。

テキストは「中日交流標準日本語初級上」が2つの班、「日本語能力試験2級受験問題集」が1つの班です。

日本からVTRとビデオテープを20本位持ってきていますので、宿舎や「多機能教室」で、ビデオ教材を使っての事業を月に一度、中級の班だけ行っています。

中級の班では、「あいさつと敬語」の本をコピーして教材にしています。

日本の歌の楽譜と歌詞(中国語の説明を添えたもの)をコピーして配り、テープレコーダーで、途中の休憩時間に毎回、それぞれの班で一緒に歌っています。

 

2. 少数精鋭主義でレベルも高い

山東大学 790 岩下壽之

 

○学生のレベルは、国家重点大学の一つだけに、相当高い。が、知識面では社会主義国だけに、かなり偏りがある。(西洋史などは全てお粗末。)卒業生は半数以上が大学院に進学。

○単なる日本語教師にとどまらず、日本文化史・古典文法・日本文学史・国語学概論などを担当させられ、日本全般に関する高度の専門知識を要求される。

○学生の勉学意欲は強く、授業中は私語はおろか、物音一つたてずに熱心に受講している。外国語学部には6カ国語の専攻学科があり(英・仏・独・露・韓・日)、英語は60名、他は20名の少数精鋭主義で、各学年とも聴講生が5〜6名いる。

○週当たり110分授業を6コマ持っているが、教科書がない科目が多く、自主教材の作成や作文の添削などで多忙を極め、家でくつろげる時間は非常に少ない。

○日本語学科の専任中国人教師たちとは至って親密で、休憩時間には和やかに談笑し、時には食事を共にする。むろんすべて日本語で。中国人教師たちの日本語の能力もかなり高い。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION