3. 日本語教師・北京経験交流会
北京・経験交流会ひらく
日本語教師中国派遣事業
弾む日本語の会話
三月十八日、北京市・友誼賓館で恒例の「日本語教師・北京経験交流会」を開催した。前日の十七日、夕刻までに友誼賓館集合と、派遣中の日本語教師へ連絡していたので、十七日には中国各地から、続々と、懐かしい顔ぶれが集まってきた。
派遣中の教師にとっては、昨年の八月下旬、成田空港から、当センターの誘導で一緒に北京へ入り、北戴河の専家局療養センターで数日間の歓迎行事を受けて以来の邂逅である。
「どうしてた。」「元気だった。」
中国の大学・学院で日本語教育に取り組んでいる教師達。久しぶりに逢った仲間達と、こんな会話が飛び交う。
赴任した学校の周辺に、仲間や、同胞が多くいる地域は別だが、その土地に日本人がたった一人と言う場合も多い。そんな地域では、タクシーに乗っても、運転手が車載無線電話で「今、俺は日本人を乗せているよ。」と同僚と会話する。街で買い物をしてもすぐに人だかりする、ということだ。「私はねー。日本人の代表なのよ」と胸を張るが、本当は異境の地にいることをしみじみと味わっているに違いない。
当センター「日本語教師・北京経験交流会」は、まさにそんな教師達に、仲間と逢い、たっぷりと日本語を喋ってもらう機会なのだ。
関心高い「能力検定試験」
教師・北京経験交流会は、予定どおり、十八日午後一時三十分から五時まで、友誼賓館・貴賓楼の大会議室で開催した。司会は教育交流担当の古川常務。出席した日本語教師は七十五名(男性四十五名、女性三十名)。
先ず冒頭に槇枝理事長の挨拶、続いてこの会のため、わざわざ訪中された日本財団・森田文憲公益福祉部長(同財団からは、担当の大田直樹係長も訪中)の挨拶。なお、この会には助言者として、当センター訪中団(団長:槇枝理事長、以下労働省、財界、労働組合代表で構成、総勢九名)の一員として訪中した、国際日本語普及協会理事長・西尾珪子先生が出席された。オブザーバーとして、日本国際交流基金会北京事務所の篠崎摂子女史も出席された。
各教師たちには予め「教育上の視点から」「生活環境について」のレポートの提出を求め、それを冊子にして配布しているので、交流会ではそれ以外の部分についての発言を求めた。教師の発言には中国の大学・学院で「日本語能力試験」への関心が異常に高いこと、またその能力試験の在り方、日本への留学問題が多かった。途中で西尾理事長から、平成十四年度から変わる「日本留学試験」制度の概要の説明もあった。
教師の発言者は時間の関係もあって、十九名にとどまった。
ここ数年、この会議での発言の変化は、生活環境についての苦情が無くなったことで、経済的発展を続ける中国、急速にすすむインフラ整備を反映しているようだ。