このようにしてみると、女性のほうがはるかに理性的であり、かつ現実的であるといえます。
私たちも、いま「新老人の会」においてこのようなアプローチをしていくのですが、そのためにもみなさんの知恵と体をお借りしたいと思うのです。日本にも老年病学会がありますが、この会はまだ高齢化社会を迎える前に発足したものであり、老人に関しては十分な研究ができなかったのです。世界で最長の寿命が日本人に保証されたいまこそ、私たちは老人の研究をしなければならないし、またそれができる状況になってきているといえましょう。
75歳以上で、なおかつ社会的な活動をしている方々が将来どのようになっていくのか。そういうことを予測する研究がなされていかなければなりません。私たちは疾病の予測をするのと同じように、サクセスフル・エイジングの予測を科学的な方法で、みなさんの力を借りながら解明していきたいと願っています。
まとめ
生きることにおいて加齢が問題になることは人間以外の動物ではありません。加齢は自然淘汰の中で人間が選んだ、そして、人間のみが背負う重大な課題なのです。この加齢によって生じる障害をどう先延ばしできるか、そしてどのように適合して生きることができるかを科学的にアプローチすることも一つの方法です。サクセスフル・エイジングを特徴づける身体的指標となるものにはいろいろありますが、通常の健診で得られる情報では十分でないかもしれません。