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サクセスフル・エイジングとは-華麗なる加齢

 

“サクセスフル・エイジング”というのは医学用語にもなっています。Avlund(1999)らの定義によれば、「良好な機能的能力と高い杜会的関わりによって評価される高齢者の状態」で、これが良好に維持されているのがサクセスフル・エイジングです。言い換えれば、機能的に社会的活動ができるということと、能力的に社会的な関わりが維持・増進できるという状態であり、つまりは機能的能力が依存しているか、あるいは独立・自立しているか、そして社会的な関与が高いか、低いかによって、活動的な生活が分類され評価されるということです。

活動的生活の評価にはいろいろな方法があるのですが、簡単にいえば、表4のように機能的能力が不良、機能的能力が良、そして社会的関与が低い、社会的関与が高いといった分類がされ、結局、Aグループに属している人がサクセスフル・エイジングということになります。

 

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表4 AvlundのPADLスケール

PADL: Physical Activities of Daily Living with or without Help

 

デンマークのコペンハーゲン郡11地区について75歳以上の男女住民477例(参加率89%)についてアンケート調査をした結果をみますと、両性にとって高い身体的活動は有意に生活の満足度と関連します。また、男性では健康の自己評価と社会的活動の間に満足度について有意な関連が見られますが、これに対して女性では、高収入、多くの社会的接触、高い健康の自己評価、よい記憶、慢性疾患がないというように、男性よりも多くの具体的な要因が生活の満足度と関連していることが示されました。

 

 

 

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