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それにつづく因子としては、第2因子が「健康のための食習慣」、第3因子は「疾病への関心と行動」、第4因子が「運動と休養」、そして第5因子は「標準健康行動」となっています。

 

主観的重要性と価値観とは

 

この点についてもう少し説明しましょう。第1の因子には5つの項目が関連しています。第1項目は「よく見せる」ということで、だれが見ても素晴らしいと思える行動です。第2項目は「異性に対して魅力的に見せる」ということで、これは日本人の行動様式とはやや異なりますが、潜在的には第1の因子と同様な価値観かもしれません。その他、第3項目は「健康的な外観を保つ」、第4項が「姿勢をよくする」、そして第5項は「自身を洗練する」となっていて、これらがライフスタイルを形づくり、実践する際のモデルとして重要な要因となります。

 

いのちの長さと生活の質

 

いのちの評価は長さで決まるものではないといわれますが、いのちの質を縦軸にとり、長さを横軸にとった場合、その面積が大きいほど評価が高いとする考え方があります。しかし過去はどうであれ、これからのいのちをどのように豊かなものにしていくかが新老人運動の基本的な考え方です。

生命の時間に限界があるとすれば、私たち医師に求められるのは死に至る時間をただ延ばすことではなく、機能的に行動できる時間を長くすることです。機能的に活動性を高めることができれば、充実した生活に対する満足度が得られ、その結果、いのちの質が高められるということになります。

今日、平均寿命が長くなっている先進国においては、老人が慢性疾患で身体障害になる時間をいかに短縮するかが重要な課題になっています。

 

 

 

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