日本財団 図書館


ライフスタイルとは

 

ライフスタイルの研究は、かの有名なカール・マルクスやマックス・ウェーバーにさかのぼります。マルクスは、「社会階級における経済的な状況によってライフスタイルが決められる」と考えていますし、ウェーバーによれば、「社会の層別化においてライフスタイルは重要な要因である」としています。つまり、どのように生きるかは社会階級ときわめて深い関係にあるということです。しかし、現代のわが国のように均一化した社会構造においては、どのようなライフスタイルを選ぶかは個人の自由裁量に委ねられています。

ところで、今日ではどのようなライフスタイルを選ぶかで健康状態が左右されることは共通した理解となっており、トーマス・アベルはこれを“健康ライフスタイル”といっています。日野原重明先生が1973年にライフ・プランニング・センターを設立された意図はまさにこのことにあるのですが、アベルが健康との関連からライフスタイルを評価する方法を提案したのが1991年のことですから、日野原先生を中心にした研究グループが日本で生活習慣の評価をしようという研究を始めたのはアベルらよりずいぶん以前ということになります。

 

健康ライフスタイルを規定するものは何でしょう

 

アベルらは私たちと同様に、因子分析という統計の手法を使ってライフスタイルを規定する5つの要因をあげています。

第1の因子は、「主観的重要性と価値観」に関するもので、これはどのように生き、どう考え、そして、どう価値づけるかということです。私たちの生活習慣検査でも、同様にこれに類することが第1因子として出てきますので、このことがいかに重要かがわかります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION