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表16 硫化銅繊維挿入培養群と対照群の菌培養の比較

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対照として、健康人の尿10mlに同量の菌を加えました。これを24時間培養して比較したところ、銅繊維の入っている尿は清澄で通常の尿臭でしたが、対照尿では図27のように混濁があり、強い悪臭を認めました。

このことから、この繊維には細菌の抑制作用があることがわかりました。この悪臭は、尿の中の尿素が細菌の出すウレアーゼという酵素により分解されてアンモニアを発生するためです。抗菌繊維は、膀胱内で感染してすでに悪臭がある尿に対しては消臭作用がありません。しかし、パッドやおむつに出された尿が、細菌分解によって発生する悪臭の予防には効果があることはおわかりになるでしょう。

表16は尿路感染のある患者さんから分離して得た細菌の銅繊維による抑制効果を示しています。

 

 

 

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