病歴や理学所見などから真性腹圧性尿失禁と診断した尿もれ患者さんに、尿流動態検査を行いますと、真性腹圧性尿失禁が多いのですが、膀胱の異常収縮により尿がもれる(不安定膀胱)人も15〜30%も含まれています。一方、トイレに到着する前に尿がもれてしまう切迫性尿失禁の患者さんでは、膀胱に尿を溜める期間中に膀胱が異常収縮して尿がもれる型(運動性切迫性尿失禁)が多いのですが、10〜20%で、強い尿意切迫感のために排尿してしまう型(感覚性切迫性尿失禁)があります。またこの両方の型をもつ人もいます。
一概に“尿もれ”といっても、それぞれ原因が違うために治療法が異なります。手術を予定している人や、いろいろな治療を行ったがなかなか治らない人では、尿もれの型が上に述べたどれに属するのかをはっきりさせてから、治療をする必要があります。