私たちは高齢化社会を迎えるにあたり、お年寄りの介護をわが国特有の妻や嫁に押しつけるのではなく、医療従事者やボランティアを中心とした周囲の一般社会の人からの援助による介護が必要となってきていることは明らかです。このために一日も早くより進んだ介護制度の確立が望まれます。
現在まず行わなければならない第ー歩の対策は、繰り返しとなりますが、介護者や医療従事者の“高齢者の尿もれ看護”についての専門的な教育と知識の普及が何よりもたいせつだと思います。
オシッコがもれるからといって、短絡的に尿もれに対して「どのような型の集尿器具や尿吸収装置がよいか」ということを考える前に、「どのようにしたらオシッコをもらさないか」について考えるべきでしょう。「おむつかぶれをつくらないおむつを使えばよい」とか、「コンドーム型の集尿器を使えばよい」と考えてこれらの商品を購入する前に、布団のそばに簡易便器を持ってきたり、トイレにいちばん近い部屋をお年寄りの部屋とするなど(6m以内が望ましい)の努力によって、尿もれが解決できることも多いのです。