同時に上部胸髄および下部神経からの神経を経由して(下腹神経)、尿道平滑筋(不随意筋)を収縮させます(交感神経)。これらいろいろな回路を通る命令は、前述したように大脳皮質と延髄の橋(上位排尿中枢)による統制を受けて、尿を保持したり出したりすることが可能となるのです(図3)。
赤ちゃん時代は、脳の発育(大脳、上位排尿中枢)が十分でなく、膀胱への抑制がきかないため、膀胱に一定の尿が溜まるとすぐに延髄と脊髄の関与のみで反射的に“オシッコ”を出してしまいます。3歳ごろになりますと、大脳皮質と上位排尿中枢が発達してきて膀胱の収縮を抑制することができるようになり、まず昼間の“おもらし”がなくなります。つづいて“おねしょ”をしなくなります。この上位排尿中枢の発育が遅れている子供では、6歳をすぎても“おねしょ”がつづくのです。