人生の危機
自己充足的な生活をしてきたとしても、その破綻を体験することによって、危機に直面します。人生の危機は多岐にわたっています。
病気:
病気なども危機のひとつです。身体的なものばかりでなく精神的な病気も含まれます。病気をすることによって自己充足的な生活が打ち砕かれることがあります。とくに不治の病いや慢性的なもの、あるいは後遺症の残る病気などは偽りの万能感はどこかにいってしまうでしょう。また、精神的な病気でも同様の結果になるでしょう。
経済的問題:
それから経済的にもさまざまな困難に直面するでしょう。とくに現代はリストラなどでかなり早い段階で失業することがあります。その結果、家のローンの返済が困難になってしまう、あるいは子どもの教育資金をどうしたらいいのか、老後の資金をどうするかなど、危機を迎えることになります。
人間関係:
人間関係においても危機的な状況に追い込まれることがあります。人間関係で悩んでいないという人はいないかもしれません。最近はいじめなども、決して子どもだけの世界にとどまらず、大人の世界にまで広がっています。とくに人間関係を築けない人が増えています。それは少子化、核家族化などにより、子ども時代に家庭で人間関係を本当の意味で学習する機会がなくなり、その上、親自身もそれを学んでいないために、子どもたちとかかわることが困難なのです。その結果、人格形成に深刻な問題が生じてくることになります。たとえば以前のような伝統的な社会構造の中では、自立しているかどうかとか、また、個々の人間関係の確立などはそれほど問われませんでした。