いや、それどころかいままでは気づかなかった旬の野菜の一口の味に感動し、他人のふとした心遣いに感謝の念を抱き、花の香りが一段とかぐわしく感じられ、これまでにないほど深く豊かで幸せな日々をエンジョイできるようになるかもしれません。
社会的存在としての私の全体性の回復
自分らしさの全体性の獲得、それが健康の原点なのだということを内面的なありかたを中心に見てきました。しかし人は孤立して存在しているのではなく、周囲との、すなわち社会や自然とのかかわりの中で生きている存在です。
自分が自分としてこころから喜べるのは、周りとのかかわりがうまくいっているときではないでしょうか。他者との関係がぎくしゃくしているとそれだけでスピリチュアル・ペインの原因となります。
自己の全体性は内面だけの問題ではなく、社会的な関係においても回復されなければならないわけです。
聖書の中で、キリストが重い皮膚病に苦しむ人を癒した後、おもしろいことを命じています。
「だれにも何も話さないように気をつけなさい。行って祭司に体を見せ、モーセが定めたとおりに清めの献げ物をし、人々に証明しなさい」(ルカ5章44節ほか)